実演鑑賞
久しぶりの「ダムウエイター」、昔地人会で見たっけ?いや文学座だったか(あやしい)、面白かった記憶があるので、ろくろくカンパニーを調べもせずに出かけたのが失敗だった。関西の演出者の個人劇団の公演。初見である。
五十年以上年令も違うのだから、こちらの好みばかりはいっていられないが、これで、若い世代は満足するのだろうか? 記憶に残っている限りでは結構サスペンスもあり、笑いも取れる不条理演劇と理解していたのだが、まるで不条理でも、不気味でも、可笑しくもない。役者は単調にセリフを言いあうだけで言葉を肉体化しようとしていない。技術もない。リアリズムで行こうとはしていないのに、頼るところがなく心細そうにドラマは進む。戯曲の面白さがうかがえない。七分の入りの若い女性観客もつかみかねている。
うまくいったのは音響効果。昇降機の上下音はともかく、終始響いている低音のノイズが劇場の場所と相まって作品にあっていた。70分。