実演鑑賞
満足度★★★★★
最初から笑えて、最後まで素直に楽しめる舞台だった。作家と編集者の松たか子と神木隆之介のコンビがボケとツッコミの役割を果たしていて、神木のツッコミで松の天然ぶりが笑いになる。二人の執筆活動と、作中劇「クリスマス・キャロル殺人事件」の登場人物たちの相互作用関係も、影に陽に演技に出て面白い。松たか子の作家の、創作の苦しさと八つ当たり、破れかぶれには作者の実感が感じられる。そこから飛翔して、見事に伏線を回収するラストの大団円は、最後まで書き上げた充実感が重ねられて、満足感も2倍になった。守銭奴スクルージの優しさを示したのも、ハートウォーミングであった。