Home, I'm Darling 公演情報 東宝「Home, I'm Darling」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    外に出たくない女性の、現実逃避から、どうやって抜け出るか、の芝居である。ジュディ(鈴木京香)の花柄ワンピースのかわいい奥様ぶりにおどろく。甲斐甲斐しい主婦ぶりとあわせて、倍賞千恵子に似ていると思った。時間が立って思い返すと、前半はかなり図式的な気がする。後半、夫ジョニー(高橋克実)が「君は夢の世界に住んでいる。僕にはこんな生活はいらないんだ」と本音を言い始めるところからが見どころ。もう一つは、母シルヴィア(銀粉蝶)が娘の勘違いに腹を立てて、50年代の混乱と家父長制と女性のいきにくさを語る圧巻の長台詞。びっくりした。

    シルヴィア「あんたのやっている(専業主婦)ことは男が望むことよ」
    ジュディ「どうして家事は評価されないの」
    シルヴィア「男がやらないからよ」
    ジュディ「働け、働けって、それって、資本主義的すぎない?」
    男の保護家から抜け出ようとすれば、資本主義の賃金奴隷になってしまう。自営業は別だが。その矛盾をサラリと示したセリフで、注意を惹かれた。

    ネタバレBOX

    隠しておいた銀行の督促状が夫に見つかって、幸せの拒食が剥がれるところ、「人形の家」みたいと思った。パンフによれば、作者もイギリス初演の俳優陣も現代版「人形の家」と十分意識していたそうだ。ただ、家に閉じ込められていたノラと違い、ジュディは必死に家に閉じこもっているのだが。

    最後「まだ愛しているわよね」「愛しているよ」と確かめ合う。「愛している」と日本人は普通あまり言わない、日本人の戯曲にもあまりない。「紙屋悦子の青春」は「迎えに来る」「待っている」と行為に託すし、「フタマツヅキ」も父母は「家族じゃない?」「続けてほしいの」といい、息子カップルは「今告白する?」「同棲しよう」「入り浸るよ」など。工夫である。

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    2021/10/30 10:59

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