青年団「東京ノート」 公演情報 枚方市総合文化芸術センター指定管理者 アートシティひらかた共同事業体「青年団「東京ノート」」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    鑑賞日2021/10/08 (金)

    青年団はレパートリーを一定期間ごとに再演してくれるので、地方に住む平田オリザが言うところの「ボクのお客さん」たちは、安心して、好きな芝居の再演を待つことができる。
    何年ぶりの「東京ノート」だろうか。
    こけら落としの劇場で、久々の「東京ノート」だった。一新された舞台美術がとてもオシャレ。

    通常、芝居で台詞が重なることはほぼないが、同時多発演劇の舞台に最初は慣れるまでちょっと戸惑う。
    聞いて欲しい会話は巧妙にクローズアップされるので焦ることはないのだけれど。

    遺産の絵を相続する問題や高校時代の家庭教師との火遊びやら平和運動をしていてその後堅実な仕事に就いた学芸員の意外な前歴やら・・。まるで人の噂話を立ち聞きするような舞台に観客は耳をひそめる。同じ舞台を観ても、その時の自分の関心事やら経験でハッとする場面が違うのが面白い。観客ひとりひとりの「東京ノート」である。

    <ネタバレへ>

    私の場合、苦しい時に、女同士はこんなふうに助け合えるんだと、胸がキュンとした。舞台が、自分の生きてきた人生にスポットライトを当ててくれるようで、平田オリザの再演舞台は毎回楽しみにしている。

    ネタバレBOX

    義姉の由美(松田弘子)の美術館めぐりにつきあう次男の嫁の好恵(能島瑞穂)、あまり絵に詳しくない彼女は感心しきりなのだが、そのさりげない会話を重ねる中で、終演近く唐突に、夫に泣きながら「好きな女ができたから」と別れを切り出されたと打ち明ける。

    どんなに親しく付き合っていても、離縁すると別れた妻は夫の親類とは通常付き合いが無くなる。
    こっちが泣きたくなると白状した好恵に、由美が泣いた方が負けだという”逆にらめっこ”をする終幕部。

    0

    2021/10/13 07:36

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大