実演鑑賞
満足度★★★★
【天国の朴】(仕事の都合で、観劇演目を変更)
劇団のコンセプト、「セットや小道具を使用せず、抽象的な美術セットの舞台で(中略)見る人の『想像力』で完成する表現芸術の舞台公演」らしく、セットは等間隔に腰高スツール5脚と椅子が下手側に1つあるだけ。演技力(パントマイム含む)を売り物にしているだけあって、ほぼ素舞台だが、人物はもちろん情景が自然と立ち上がってくる。人物1人ひとりの場面を丁寧に設え、役者は人物の性格や立場、そして背景までも見えるように演技する。見事!客席通路も使用し正面(舞台)だけではなく、別景色があることを想像させ物語を立体的に構築する。
その情景描写を支えているのが照明と音響といった舞台技術である。全体的に薄暗い中で、多色照明やピンスポットなど多彩な照射、音響は低重音(歌)が流れ、時にピアノ伴奏だけと言った聴かせ方、これが場面に応じて実に上手く使い分ける。もちろん台詞の邪魔はせず、逆に言葉が音楽に乗って心地良く聞こえる。
物語は、腐敗しきった社会で新たな革命を起こそうと企む若者、先ずは政権与党を牛耳っている権力者(幹事長)をどうにかしたい。そんな若者たちに巻き込まれた初老の暗殺者・朴(ボク)と、その仲間が集まって目指すものは…。
硬質な中に哀愁を感じさせる社会派作品。
(上演時間1時間40分 休憩なし)
本公演は第33回池袋演劇祭参加作品のため、2021.10.10追記。
2021/09/28 16:39
コメントありがとうございます。
いつも公演情報をいただき重ねてお礼申し上げます(宮谷多楽さま から情報提供有)。
新型コロナ感染症防止に係る業務支援に出かけることが多く、観劇スケジュールがなかなか調整できません。今回も直前の演目変更にも関わらず、ご対応いただきありがとうございました。
既に追記分は書き終えておりますが、10月10日に☆評価と併せて公開する予定です。
これからの益々のご活躍を祈念しております。