悪魔をやっつけろ~COVIDモノローグ~ 公演情報 燐光群「悪魔をやっつけろ~COVIDモノローグ~」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    第一回を逃したので今回の追加上演を観に出かけた。後半寝てしまったのでデヴィッド・ヘアのコロナ体験記(70代にして感染)がどう着地したのか判らず終い。COVID19へのヘアの「考察」を私は聴きたかった。いつか翻訳台本が読めることを期待。

    新型コロナをどう捉えるか、どう対するか、どう距離を保つか・・そういう類の議論が「緊急に」必要な状況であると私には思える。だが人に思索を促すコンテンツは地上波放送ではまず見られない。
    コロナ時代がいつまで続くか知らないが、恒常的に有用かつある場合には必須である「検査」を可能な限り広範に実施できる体制さえ、1年半の間に構築できなかった政権の(即ちコロナに真摯に向き合わない=既得権益構造を変えない政党の)後継者問題、しかもポンコツ候補者ばかりを追いかけ、「他の可能性」を全く封じる報道がまるで誰かの命令一下でなされているかのように横一列で並んでいる。
    医師や感染症専門家は「感染を広げない。そのためには出歩かない」と言う。地域医療の担い手が民間主体であり「経営」とリンクしながら為されて来た経緯を見れば、各医療機関の「自発性」に期待して社会的広がりの中での「対コロナ体制」ができるのを期待する(待っている)方がどうかしている。各機関の「経営」に目配りしつつ「全体に奉仕する」医療体制の構築をやれるのは政治しかない。
    その議論を展開した番組を見たことがない。私には報道の様相が狂気、または低能の証に見えるが、背後に恣意性が働いているとすれば、それに唯々諾々と従う人と組織の異常さもさる事ながら、その「力」を構成する中毒性の偏執的要素が想定される。
    映画「チャイナタウン」は水道の利権の欲にとらわれた老獪な男の前に正義が敗れる話だが、主人公の探偵ギディスがきな臭い事件を追って突き止めたその黒幕に、裏を掛かれて拳銃を突きつけられて言う「なぜ?」「金に困ってる訳でもないのに」すかさず老人が反論する「The future, Mr.Gidis, the future!」。「未来のため」という大義をしゃあしゃあと言ってのける男の姿に、世の権力が重なる。その本質は単なる「既に得たものを持ち続ける」事への執着、失わないために増やそうとする偏執、即ち中毒(意志ではなく病から来る症状)である。

    「戦争協力」でかつて裁かれたマスコミのように、今現在のマスコミの体たらくも犯罪的であったと裁かれる日が訪れてほしいものだが、かつては敗戦によって曲りなりの改革がなされたが、今没落し行く国家がその非道さで国民を苦しめようと、誰も助けないだろう。自力でやるしかない。
    米国という兄貴に頼む向きもありそうだが、人権外交で他国に介入するのがかの国の常套で、今の日本は敗戦によって既に米国の「介入」を成功させ、軍用地や制空権を与え、今やジャパン・ハンドラーに逆らう政治家は「いない」のではないか?(共産党くらいか) 今、日本は米国に搾り取られるプロセスにある。
    日本は「取りに行く」国ではなく、今は敗勢に回った。安倍政権の間に通った重要法案は国の財産や社会資源を米国や企業に売るためのものだ。この視点を報じないマスコミも政権と共犯にある。
    ・・かく凡庸な想像力も、自分で考えるから働くが、マスメディアの不作為(考える材料としての情報を出さないこと)の前にただ受動的でいたなら、常に栄養を摂り続けなければ奪われる身体機能のように、奪われる事だろう。
    演劇の与える影響力は数の上では少ないが、浮薄に流れる情報とは異なる確かな情報を手渡す強みがある。坂手氏と燐光群の仕事に敬意を表する。

    ネタバレBOX

    食事も控えたので眠るとは思わなかったが、座高円寺1の座席ならそうならなかったろう、2の座席はフカッと座り心地よく、坂手氏のさして心地よくないリーディングの間よくぞ快眠に誘ってくれた。(椅子に文句を言っても仕方ないが。。)

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    2021/09/18 01:39

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