実演鑑賞
満足度★★★★
新しいスタイルで楽しませる好公演。
演劇とオペラの異色のコラボという謳い文句であったが、基本的に演劇チームが始めに台詞で演じ、続いて同じ場面をオペラチームが歌って聴かせる。今まで観聴きしていたオペラは、多くは原(イタリア)語で歌い、目で字幕を追っていたが、本公演は演劇・オペラという観せ聴かせる特長を活かしたもの。同じ場面でありながら、やはり違いは明白であった。演劇チームは演じるが、特に表情が豊か。一方 オペラチ-ムは聴かせる力は圧倒的で心地良い。もちろん演劇チームは歌わず、オペラチームの魅力を損なわない演出。逆にオペラチームの時にはピアノ伴奏があるが、演劇チームの時には台詞の じゃま をしない配慮。このピアノの伴奏が実に上手い。
さらに、それぞれのチームに相応しい演出で観客を魅了する。例えば、ラストの披露宴会場の空に花火が打ち上げられるシーンは、演劇チームは照明の変化、オペラチームは全員で熱唱する。
物語にはコロナ禍を反映させた台詞もあり、時に観客を笑わせる。冒頭、主人公のフィガロと結婚相手であるスザンナがフェイスシールドを着装して登場。それで歌うのか一瞬驚いたが、すぐにそれを外し、出演者がPCR検査を行い全員が陰性であったこと、三蜜にならないことは大切だが、八(蜂)蜜の甘い心情は必要などと駄洒落に近い台詞がポンポンと飛び出す茶目っ気が…。
(上演時間2時間50分 途中休憩15分)
2021/09/28 16:31
2021/09/28 11:07
コメントありがとうございます。
演劇×オペラ「フィガロの結婚」は、とても面白く観せ聴かせていただきました。今まで何度か同じ演目を観聴きしておりますが、今回のような上演形態は初めてで新鮮でした。実に独創的です。また時事ネタを入れ笑いを誘うなど、観客を楽しませる工夫も見事でした。
また行きたくなるような公演でした。
これからの益々のご活躍を祈念しております。