『演劇×オペラ フィガロの結婚・令和版』 公演情報 若い演奏家の為のプロジェクト「『演劇×オペラ フィガロの結婚・令和版』」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    新しいスタイルで楽しませる好公演。
    演劇とオペラの異色のコラボという謳い文句であったが、基本的に演劇チームが始めに台詞で演じ、続いて同じ場面をオペラチームが歌って聴かせる。今まで観聴きしていたオペラは、多くは原(イタリア)語で歌い、目で字幕を追っていたが、本公演は演劇・オペラという観せ聴かせる特長を活かしたもの。同じ場面でありながら、やはり違いは明白であった。演劇チームは演じるが、特に表情が豊か。一方 オペラチ-ムは聴かせる力は圧倒的で心地良い。もちろん演劇チームは歌わず、オペラチームの魅力を損なわない演出。逆にオペラチームの時にはピアノ伴奏があるが、演劇チームの時には台詞の じゃま をしない配慮。このピアノの伴奏が実に上手い。
    さらに、それぞれのチームに相応しい演出で観客を魅了する。例えば、ラストの披露宴会場の空に花火が打ち上げられるシーンは、演劇チームは照明の変化、オペラチームは全員で熱唱する。

    物語にはコロナ禍を反映させた台詞もあり、時に観客を笑わせる。冒頭、主人公のフィガロと結婚相手であるスザンナがフェイスシールドを着装して登場。それで歌うのか一瞬驚いたが、すぐにそれを外し、出演者がPCR検査を行い全員が陰性であったこと、三蜜にならないことは大切だが、八(蜂)蜜の甘い心情は必要などと駄洒落に近い台詞がポンポンと飛び出す茶目っ気が…。
    (上演時間2時間50分 途中休憩15分)

    ネタバレBOX

    2幕。1幕が2場の計4場。
    基本的には椅子があるだけの素舞台に近い。しかし、照明効果で場景の違いを判らせる。例えば、1幕目の1場は変化のない単色と2場は格子状の照明にすることで、1場の部屋と違うことをイメージさせるなど、ちょっとした工夫で観客の想像力を膨らませる巧みさ。

    どうしても同一シーンを演劇・オペラチームが演じ歌うのは分かり易いが諄(くど)いという表裏の関係を払拭できない(冗長になる)。公演は両チ-ムの特徴を十分活かし、逆に相手チームの特長のじゃま をしないという徹底した拘りが成功していた。先にも記したが、演劇チームは歌わない、オペラチームは過度な演技(顔の表情作り等)はしない。だから自分たちの本来の持ち味を発揮することに専念できた。
    端的に言えば、融合的なコラボではなく、それぞれの魅力の観せ、聴かせ合う違いの分かる「演劇×オペラ フィガロの結婚」であった。終わってみると、真の狙いもそこにあるのかな、と思ってしまうほどだが…。
    当日パンフに演出の高橋正徳氏が「・・・濃密な異文化交流?」と書いていることから、確信したところ。
    次回公演も楽しみにしております。

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    2021/09/03 16:49

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  • Koko Oinuma 様

    コメントありがとうございます。
    演劇×オペラ「フィガロの結婚」は、とても面白く観せ聴かせていただきました。今まで何度か同じ演目を観聴きしておりますが、今回のような上演形態は初めてで新鮮でした。実に独創的です。また時事ネタを入れ笑いを誘うなど、観客を楽しませる工夫も見事でした。
    また行きたくなるような公演でした。
    これからの益々のご活躍を祈念しております。

    2021/09/28 16:31

    主催のOinumaです。
    御来場とご感想をありがとうございます!
    大変励みになりました。
    ソーシャルディスタンスを保ちながらも、出演者一同、舞台裏でもとても仲良くこの公演を楽しみました!
    これからも頑張って参りますので、今後ともよろしくお願いいたします。

    2021/09/28 11:07

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