実演鑑賞
古典の活かし方もいろいろあって、古典ミステリの人気キャラクターは、最近流行の2・5ディメンション系の舞台では重用される。8月には最強キャラのホームズにタカラヅカ宙組と、この舞台が用意された。こちらは音楽朗読劇と銘打って、名作ミステリを次々と舞台に上げようという企画の第一弾。劇場もサントリーホールのブルーローズと小洒落ている。
俳優に人気の声優を配し、劇伴を生演奏で、朗読劇として上演する。内容は初期の「冒険」から三話。入り口ではイギリス公認の輸入グッズも販売している。客は日ごろ顔を出さない建前の声優の演技が見られるというのでファンが多い。これが、ミステリの中身で客が来るようになれば、新しい展開があるのかもしれないが、時代をくだるにつれて、ホームズ=ワトソンのような朗読劇には使いやすい人物関係が少なくなる。仕掛けも複雑になってこういうリサイタル形式ではできなくなるだろう。
宝塚宙組はコロナ拡大でかなり公演中止することになった。こちらは前途多難である。