実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2021/08/27 (金) 14:00
やみ・あがりシアターらしい巧妙な作劇。シンプルに面白かった。
コロナ禍前とコロナ禍後の同じ場所を描いた中編の2話上演。
『…2020』は、昨年4月に他劇団と同時に上演する予定で作っていたものが上演中止になったという作品で、2020だからコロナ後なのだけれど、コロナ前の世界を描かれている。東京からちょっと離れた所にある「かざみ」駅に集まる人々の話。強風で運転が見合わせになる中、出かけようとする者、来る人を待つ者、等が繰り広げるアレコレ。無関係と思われていた人たちが徐々に繋がるあたり、笠浦の構成の妙が冴えて、楽しく見せてもらった。63分。
10分の休憩後に上演された『…2021』は、その1年後の同じ駅を舞台に、『2020』からの登場人物(の1年後)と新たな登場人物が、やはり無関係と思わせて繋がる見事な作劇。2話で1作と言われればそう思うと思うであろうし、1話の1年後という設定も効いてて、引き続き楽しく見せてもらった。60分。
驚いたのは、劇団員・加藤が演じるシンガー・ソングライターの役名「スージー・ロトロ」。これは、劇中でも使われるボブ・ディランの「風に吹かれて」が入った2ndアルバム "The Freewheelin'" のジャケットにディランと一緒に写ってる当時のガールフレンドの名前(「スーズ・ロトロ」表記もあり)なのだ。終演後に笠浦に聞いたら「誰も気づいてくれない」と言っていたが、かなりのマニアでなければ気づかないだろう(^_^;)。全体のエンディングにもディランの「ライク・ア・ローリング・ストーン」を使っているし、笠浦ってディランのファン?
https://www.amazon.co.jp/Freewheelin-Bob-Dylan/dp/B0000024RQ