愛が世界を救います(ただし屁が出ます) 公演情報 パルコ・プロデュース「愛が世界を救います(ただし屁が出ます)」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    第一幕90分休憩20分第二幕55分。

    筋少の名曲、「パンクでポン」のオマージュからスタート。INU(町田町蔵)の「メシ喰うな!」とアンサーソングであるSTALINの「メシ喰わせろ」ネタから「発狂目覚ましくるくる爆弾」(原爆オナニーズ)まで、好きな奴には堪らない雑学満載。無論そんな事を知っていても実人生で全く何の役にも立ちはしない。
    主演のんの存在感は60年代のアンナ・カリーナを彷彿とさせる。令和サブカルのファム・ファタールといったところか。けれどそれだけで消費されるには余りにも勿体無さ過ぎる逸材。「この世界の片隅に」みたいな永遠に語り継がれる作品と出逢って欲しいもの。流石にルックスは抜群で顔だけで金が取れる。ギターも巧い。W主演の村上虹郎氏は素晴らしいの一言。歌も上手いのか?と驚いたら母親がUAだった···。

    日本のサブカル最高水準のエンタメは「ゴッドタン」であろう。(何年も観ていないので今がどうだか知らないが)。とにかく全身全霊面白いと思うことに全てを捧げ尽くすスタイル。「面白いだけで何もないじゃないか」は全く言葉の通りで、本当に面白いだけで何もない。それを評価するか否定するかは観客の価値観次第。ただこの世の見世物の多くは“面白い”にカスリもしないのも事実。宮藤官九郎を筆頭に、徹底的に面白さと真摯に向き合うアティテュードが支持されているのが現実。

    多才なメンバーを揃えている。三宅弘城氏のドラムの上手さ、トンボ返り、三役それぞれの面白さ。
    少路勇介氏の運動能力と反射神経。
    伊勢志摩(いせしま)さんの「歌うわよ!」としつこいキムラ緑子ネタが笑える。
    藤井隆氏の大江千里をパロったキャラ。申し訳なく思ったのか休憩中にひたすら流れる大江千里BEST。
    潔い下らなさに逆に心が洗われる。

    ネタバレBOX

    近未来、日本は異星人から攻撃を受けて壊滅状態。公衆便所に住み着くホームレスの虹郎は、屁をこくと未来が見える予知能力者。寄り目にシャクレの「アイーン」顔で相手の脳に直接語りかける事が出来るのんと出逢う。

    メンタリストDaiGoのホームレス&生活保護受給者へのヘイトスピーチが現在進行系で炎上する真っ只中、気持ち悪い位ズバリの内容。(予知能力か?)
    よーかいくんのポンコツ・サイボーグの背中には「小山田」の落書きが散見。
    客席に用意されたブーブークッションの音がイマイチしょぼいのが残念。
    開演SEのラストがピーズの「シニタイヤツハシネ」、ハッピーエンド後のSEがピーズの「好きなコはできた」。宮藤官九郎は本当に純粋に創ってるんだなあとそこが一番感じ入った。大林宣彦の黒澤明評で「気の弱い泣き虫の精一杯の純情」と云うのがあったが、PUNK ROCKなんてそんなものだ。

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    2021/08/15 22:35

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