実演鑑賞
満足度★★★★★
#新編ロミオとジュリエット‐薔薇の名は‐
#Black
#蓮×歌
#大里結衣 さんを観るために劇場へ。乳母のスーザンを演じた彼女の高い声は、よく通りよく届く。そして大きな瞳がたたえる感情で、シーンの状況を見事に物語ってみせる。嗚呼、コレが観たくて劇場へ足を運ぶのだ。
正直に言えば、若くて美しい青年やお嬢さんがたくさん集う作品は、顔見せ興行的なモノが多く、面白くない上に高額で苦手だ。今回も覚悟していた。ところが、その予想は間違っていた。綺麗な顔立ちの男女が揃っているが、彼等はそれだけではなかった。まず、みんな声がイイ。確かに気合いが入りすぎの感じも見受けられるが、多くのキャストが力を込めながらも明瞭な言葉で届けてくれる。修道僧ロレンスを演じた、劇団員 #南武杏輔 さんはなかなかに魅力的だったし、ヒロインの #西村美咲 さんはスタイリッシュであることに加え、言葉の力や表情で登場の瞬間から群を抜いて輝いていた。
そして何よりの驚きは脚本。たしかに「ロミオとジュリエット」だけれど、冒頭から喉に刺さった小骨のような違和感がある。それは…登場人物。その違和感が後半に、まるでジェットコースターが急降下するように動き出す。そして仕掛けの中に、マクベスの三人の魔女…ハムレットの墓地…顛末を語り継ぐホレイショー…十二夜やお気に召すままの男装などを忍ばせ、そしてロミオの元カノのロザラインを見事に融合させているように思えた。演劇好きにはたまらないシェークスピア・ミックス。終演までニヤニヤが止まらなかった。脚本(脚色)と演出の #時雨らら さん。今後に注目したい。