実演鑑賞
満足度★★★★★
#意味なしサチコ、三度目の朝 #かるがも団地 #波多野伶奈 さんを観るのが目的だった。彼女は語り部として作品にねじを巻き、主人公として牽引した。実際に重い心を引きずるようにチャリをこぎながら嗚咽する彼女の姿に人生を重ねた。また、ラストシーンに響く蝉の音に、人生の儚さを感じたりもした。深く深くノスタルジーの海に飲み込まれた。
いやはや……ふるさとは遠きにありて思ふもの、そして悲しくうたふもの。人生は不時着、いや胴体着陸だ。人は一人でも生きられるよう努力し、人を助け人に助けられながら生きている。人生の孤独と仲間の素晴らしさがマーブル状に混在する。それこそが人生だ。
ユーモアたっぷりでふざけた作りの…骨太の作品。帰国子女にツボった。登場人物も、それを立ち上げるキャストも、みんなキャラがエグイ。そして魅力的で素晴らしい。笑いと涙と…見事なバランスの脚本と演出。そこに破天荒さもあるけれど、そこに1mmの隙も無く、誰ひとりとして客に恥ずかしさを感じさせない。今後が楽しみな劇団と、俳優たちに出会ったぞ。
【追記】
配信チケットがあるらしい。このご時世、劇場に行くのが怖い方、家で時間を持て余らせている方、そして演劇が大好きな方、オススメです。