実演鑑賞
満足度★★★★
25日、錦糸町にあるすみだパークシアター倉で上演されたTAIYO MAGIC FILMの『黒い箱の中に白い箱』を観てきた。この劇場、自分の好きな劇団である桟敷童子の常打ち小屋で、桟敷童子以外の劇団の公演で出かけるのは初めて。この公演に出かけたのは、出演者の一人に知人の役者・水野以津美がいたことが直接のきっかけであったが、あとから演出の一人に少なからず関わりのある藤井仁人がいたことも知り、ますます期待を持って出かけた訳である。
事前に配布されていたフライヤーでは20分の短編作品を4作品上演すると言うことだったが、実際に蓋を開けてみると30分近い作品が4作品と、なかなかボリュームのある内容になっていた。
4作品は、ケーキ屋が舞台となり店長と常連女性客との恋愛、町内会イベントを巡っての店長と妹の下品な努力、そしてYouTubeに動画をアップしてケーキの売り上げアップを狙うバイトの仕組んだ偽強盗劇と3つのエピソードが入り組んだ『CEKE』、消極的な自分と積極的な自分との葛藤をミュージカル仕立てでまとめ上げた『歌いかけてくる』、醜男と醜女の純愛に割って入ってくるイケメン男性のその後とその娘の自殺使用とする前の告白劇となる『夏に雪が降る』、結婚に反対だと思っていた生真面目な父親が結婚前の娘に見せる一世一代のギャグをかます『ウエディングドレス』。1作目はドタバタ、2作目はほんのり、3作目は「え、お前あっちの男のその後!?」という思いがけない逆転、4作目は父親が見せる娘への愛情にホロリと涙。
水野以津美は1作目でケーキ屋の店長の妹役でなかなかの好演。演出・藤井は3作目を担当。これは脚本の面白さが4作の中で一番だった。
配布されたプログラムにキャストが載っていたが、役者名でのみで役柄が分からなかったので気になる役者が誰だと断言できないのが残念。
それにしても、臀部をくりぬいたパンツをはかせ、それが下品嫌いな彼女にばれないように店長の腰にしがみついて引き回されていた水野以津美の演技、ご苦労様でした。