ルンバ!ルンバ!ルンバ! 公演情報 ローリングあざらし撲殺「ルンバ!ルンバ!ルンバ!」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    コロナ禍で伝えたいことは解るが、演出が今一つ。色々なモノを観せ(描き)たいという思いが強いようで、逆に真に伝えたい事が暈けてしまった印象だ。

    コロナ禍を背景に、人々(特に若者)の生き様を絡め、観せ方として、奇抜な設定(踊らなければ死ぬ)で興味を惹こうとしている。しかし、どれもが中途半端でインパクトが弱い。もう少し(場面を)省略・整理出来ていれば、面白かったかも知れない。特に前半の話は冗長で、演出は稚拙だ。後半はまとまりが出て来ただけに勿体なかった。テーマは明確なのだから、それをどう描くか、しっかり構成出来ていれば…(それが難しのだが)。

    観た回の観客は10人(コロナ感染拡大防止対策のため席間隔あり)と少なく、さらに休憩時に3人が帰ってしまうという残念な状況。
    (上演時間2時間10分 途中休憩10分) 
     2021.7.24追記

    ネタバレBOX

    素舞台、正面はスクリーン。時々に映像を映すが、それはTV等の媒体を通して施政方針を述べる為政者をイメージさせる。またフェーズ1、2・・としコンセプトと言うかサブタイトルを映し出すが、出来れば演出力で物語を繋いでほしい。せっかく「ルンバ!ルンバ!ルンバ!」といった奇妙だがインパクトあるタイトルにしたのであれば、適当?に踊るのではなく、ルンバ ダンスを見せてほしかった。

    物語は、踊ると死んでしまうという奇病(感染症)が広がり、政府(映像:グレートウォールナー)が、踊らないルールを打ち出す。他方、踊らないと死んでしまうという特異な体質を持った人々を登場させ、政府方針に異を唱える集団(ダンス解放戦線)といった対立軸を見せる。何となく新型コロナを連想させるくだり。そこにスケバンだった女性やノンポリ男など、我関せずの人々を登場させ、混沌とした社会・世相を描く。当初そのような人物、集団が緩い関わりで存在していたが、次第に政府対解放戦線の抗争へ収斂。ルールの是非を選択させる。この過程をいろいろな場面を挿入しながら展開していくが、一つ一つのエピソードが長い。その結果、冗長となり観客の集中力、関心を繋ぎ留めておくことが難しい。
    例えば、防護服を着用し消毒等の感染対策を行うイメージシーンは、登場人物が でんぐり返し等のいくつのもパフォーマンス(それもスローモーション)を繰り返す。アップテンポからスローテンポ、その逆など自由自在と言えるのか疑問に思える演出。

    物語には、いくつか興味深い場面が登場する。
    ⚪奇病は、社会的地位や生活水準が低く虐げられている人々に感染しやすい。
    ⚪スケバン(暴走族)は青春期の発散行為としては楽しめたが、いつまでもやっていられない。
    ⚪政府(グレート・ウォールナー)に心酔し、その真似事をしているうちに、(自己陶酔し)自己を失くす。
    ⚪ノンポリでいたが、政府または解放戦線のどちらにも影響され、自分自身(信念)を見失う。

    何となく分かったようなシーンが描かれるが、断片的であり観客の感性に負うところが大きい。脈略が有るのか無いのか不思議な感覚に陥る。
    たぶん、スケバン(先輩:桂川明日哥サン)の考え方・生き方に主題(ブレがない)があるのだろうが、そこを描き切れていないのが残念。

    後半には、カラフルリバティ(映像:グレート・ウォールナーと同一人物)が登場し、踊りを認め対立だけの方針を転換する。グレート・ウォールナーを慕っていた者は目標を失い放心状態。また自由と引き換え=「豚」として毎日決められた作業をする(思考停止、自立放棄)といった生き方を選択するのか。その問題提起が恐ろしい。
    が、ラストはハッピーハッピーと唱え、手に手を取り合う姿は何だろう。訳が分からん。

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    2021/07/19 00:17

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