目頭を押さえた 公演情報 パルコ・プロデュース「目頭を押さえた」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    林業が廃れた田舎の大きな家のちゃぶ台のある居間と、庭にはモヤ(喪屋)といわれる掘っ立て小屋のような離れ。高校3年生の遼(筒井あやめ=乃木坂46)が、村の人達の肖像写真を「遺影」と称して撮っている。いとこの同じ高校3年生の修子(秋田汐梨)をモデルにした写真が全国コンクールで大賞を受賞した。最初は父(山中崇)も、修子の父母=遼の伯父伯母(梶原善、枝元萌)も手放しで喜んでいたが、遼が写真部顧問の教師坂本(林翔太)のすすめで、東京の芸大(写真科のある)進学を望むところから、波紋が起きていく。

    遼の進学に心を乱される父、修子の複雑な思いが吐露されていく過程はリアルで切なく、さすが横山拓也の戯曲だと感心した。ただ要所要所で設定・展開に疑問が湧いた。解決しないまま置き去りにされる伏線(謎)が多い。

    客席は男性客が7割。演劇では見たことない。筒井あやめのファンなのだろう、20代から30代が多い。

    ネタバレBOX

    初演は12年前で先に書いたように傷のある戯曲なのだが、若い女性アイドルの二人をうまく配役できるので、主催のパルコステージはこの作品にしたのだろう。内容から言えば横山拓也にはもっといい戯曲はたくさんある。

    問題としては、冒頭の大賞受賞を電話連絡もせず当人たちが家に帰ってくるまでわからないというのからひっかかる。修子が片思いの教師坂本と遼の関係を怪しんで「逢引」シーンの写真を撮ってしまうのはわかるとして、誰にも見せてないというのに、なぜそれが村の噂になるのか。修子がそれほど遼を貶めようとしたとは考えにくいし(舞台でもそうは描かれていない)、結果としてはデマをふりまかれた遼がほとんど怒りや恨みを示さないのも、納得しにくい。その写真を家族が見て「ネタ」にする神経もおかしい。

    最後の事故によって、上記の三角関係、確執がうやむやになるというのもやはり中途半端な感じは否めない。
    最後に一つ、高いところから落ちて死んだ遺体は、目が飛び出すというが、本当だろうか?

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    2021/06/17 23:57

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