魔界転生【5月4日~5月11日東京公演中止、6月5日~6月6日大阪公演中止】 公演情報 日本テレビ「魔界転生【5月4日~5月11日東京公演中止、6月5日~6月6日大阪公演中止】」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    第一幕70分休憩25分第二幕105分。
    マキノノゾミ氏の脚本に期待し、堤幸彦氏の演出に不安を覚え・・・、演劇と云うより舞台ショー的な感じ。背景のプロジェクションマッピングが凄まじいのだが、慣れてくると安っぽく感じる人間の不思議。全ては使い方とセンス、効果と言い訳の違い。
    上川隆也氏の柳生十兵衛は意外にも千葉ちゃん調。勿論松平健氏の但馬守は素晴らしかった。荒木又十郎役の木村達成氏はヴィジュアル系バンドマン的に病んでいてカッコ良い。
    石川賢版の漫画っぽい設定に『帝都物語』のエッセンスを加えた風味。
    宮本武蔵の独り歌舞伎から十兵衛のキャラまでかなりコメディ調な展開が続く。核になるこの世への無念、未練が表現出来ていない勿体無さ。
    『魔界転生』にはかなり思い入れがあるので、ついつい観てはガッカリする。深作欣二の映画と石川賢の漫画以外は何か根本的に違う気がする。永井豪の『デビルマン』関連と同じで、見ない方が良いと判っているのに見てしまう。そんな人間はきっと日本にいっぱいいるのではないか?
    ラストの全員でのダンスは最高だった。

    ネタバレBOX

    マキノノゾミ節は第二幕から。怨念の化け物と化した淀君(浅野ゆう子)を義理の娘となるお品(藤原紀香)が諭す。憎悪と復讐の塊であった淀君が自ら成仏するのが見せ場。怨霊の鎮め方が今作品のテーマに。
    山田風太郎による柳生十兵衛三部作、『柳生忍法帖』『おぼろ忍法帖』(『魔界転生』)『柳生十兵衛死す』。『柳生十兵衛死す』は江戸時代の柳生十兵衛と室町時代の柳生十兵衛が夢幻能に因って入れ替わり、別の時代で己の義を貫く。到頭最後には互いに相手を斬らなければならなくなってしまう傑作。石川賢の漫画もあるが酷い出来で、いつかちゃんとした作品を誰か作ってみて欲しい。能舞台としても観てみたい。

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    2021/05/23 16:14

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