蝶の筆 公演情報 CROWNS「蝶の筆」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    6月6日追記し満足度を4から5に変更しました。
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    5月15日無観客配信を1回観た時点での感想としては、
    ・3人の主役いずれも素晴らしい。はやく劇場で観たい。
    ・照明がめちゃくちゃ綺麗。○○○○のシーンこだわりすぎでしょう。はやく劇場で観たい。
    ・電話の描写、良い。なるほど素晴らしい情報のとりかた。
    ・ははあ、あの人がこうなってあの人がこうなるかー。やられた。
    といったあたり。

    途中まで登場人物の関係が掴みにくい。当日パンフに役の名前があるとありがたい。(でも、観ながらつい確認したくなるかも)
    フライヤー現物を作らないということなので、もしかしたら当日パンフも無いのかもしれませんが、ちょっとお芝居だけでは観たあとにフラストレーション感じるかも。
    なお、★4は5月15日時点でのものです。
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    6月6日追記。
    5月15日・16日に定点映像を視聴し話の筋を理解して17日に劇場で観劇。
    まず映像と実演鑑賞では受け取るものがこんなにも違うのかというのがショックなくらいだった。
    パワーがすさまじかったのだ。演劇への情熱、緊急事態宣言下での旗揚げ公演を支えるという気概。
    映像でも理解したつもりだった座組の信頼感のようなものは劇場ではもっと強く感じられ、おそらくは今公演が団体初主宰となる主演兼プロデューサー塩崎こうせいをがっちりと支える結束力なのだろうと思った。これはもうスクラムだ。

    ・劇場にはA4両面を半分折りにした当日パンフがあり配役表がありました。もちろん主宰挨拶も。ありがとうございました。
    ・劇場で見たのは通算3回目、さすがに物語は把握。見れば見るほど物語はシンプルだと感じるのだが、おそらくは詰め込みすぎなのだろう。時代ドラマにできるほどの内容。
    ・着物の着こなしが素晴らしい。主人公3人のうち大野清志演じる木島虎蔵は和装と洋装が入り交じり1幕と2幕の着こなしも異なるため目に楽しい。女性陣の着こなしも同じく。駒子姉さんの襟の角度と厚みがすき。塩崎こうせい演じる矢代露風は袂に手を隠しがちなのも良い。さひがしジュンペイ演じる剣持のおじさんが手紙を袂にさっと隠す仕草がプロ。江里菜演じる静子も衣装が多い人物、芸妓姿のだらりとした帯に上前が斜めになった着かたが艶やか。2幕の洋装も良い。なお今作品唯一の実在の人物は登場から一貫して洋装。好き。
    ・照明はやはりこだわりすぎでした笑。定点配信でまったく見えなかった照明を客席でみたときは度肝を抜かれましたよ。最後にまわる照明、良いですね。
    ・劇伴のほとんどがクラシック曲。月明かりのシーンに「月の光」、別離のシーンに「別れの曲」、嵐の見えるシーンには「テンペスト」、カーテンコールは「蝶々」。クラシック音楽が好きな自分は気持ちよく作品に没入できました。
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    以下ネタバレBOXへ追記。

    ネタバレBOX

    上記に「○○○○のシーンこだわりすぎでしょう。」と書いたのは「月明かりのシーン」でした。
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    公開されているあらすじから、もっと関東大震災を掘り下げるのかと予想してしまっていたがそんなことはなかった。
    これは良い意味でも悪い意味でも(こちらの勝手なミスリードなのだが)肩すかしをくらった気分。
    なんとなく、関東大震災をみんなが生き延びて(もっと大きい災厄がこの先あるにしても)希望を持って生きていく姿を見せることで、コロナ禍をみんなで生き延びようというメッセージを受け取ったような、そんな気がしている。
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    6月6日追記
    上記に書いたように物語のボリュームは大きい。特に後半はいろいろごちゃっとしていたかなあ。筋はシンプルなのだが所見時は正直頭の上に「?」がたくさん浮かんでいた。
    露風の「おじちゃん」という呼びかけがとても素朴で良い。が、それゆえに当初は血縁ある「叔父or伯父」とミスリードした。兄の上官だった、それだけの「おじちゃん」だったんですね。
    前島さんの英語、何を言っているかわかっていませんごめんなさい泣 たぶん分かりやすく言ってくれてると思うんですが。

    物語の山場はいろいろあると思うが、最大の山がちゃんと露風のところに剣持がやってくる場面とコンクールの結果にあるように感じるのが演出の妙だと思うし座組の作品読解力によるものと感じる。
    全ての登場人物に見せ場がありながらも適材適所、突出しているのはちゃんと主人公になっている。そういった総合的な見せかたこそが手練れの腕の見せどころなのかもしれない。
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    ・矢代露風(塩崎こうせい)
     声音と表情でつくる感情表現が繊細で丁寧。
     不自然な演技ではない、矢代露風というひとがそこに生きているただそれだけ。心地よかった。
     露風と兄・露運の演じ分けも鮮烈。
     新聞社で露風だけ正座している場面がいかにも現在とは違う感じが出ていてよかった。
     ラストの笑顔に救われ、ラストの台詞にここから先の彼を思う。
    ・青山千太郎(末原拓馬)
     着流しの襟ぐりが開きまくっているのに品がある透明感。
     恵まれた生まれに才能、誰もが羨むものを持ちながら満たされない本人の苦悩が
     重すぎない案配でしっかり漏れ出していた。
     千太郎だけが編集長を「藤堂さん」と呼ぶのがすき。
    ・木島虎蔵(大野清志)
     正直に申し上げてこんな大野さんを見たかったという感想。
     優しく不器用な青年を好演。
     千代に別れを告げられるシーンの静かに悲しみを受け入れる感じがたまらない。
    ・編集長(福地教光)
     ネクタイの印象が強すぎて衣装替えが無かったのが残念笑。
     主人公3人を見守る器の大きさ、目に映る範囲の人間くらいは守りたいという正義感。
     彼の報道が前島を動かし物語を動かしたというのがうまい物語である。
     完全に物語の中で生きる"登場人物"としての演技。堂々とした編集長っぷりだった。
    ・田島さん(有賀さやか)
     日露戦争で夫を亡くした未亡人。
     当時に未亡人が生活していくために女性が職に就けるようにする風潮があったと聞くが彼女が新聞社で記者をするのもそういうことなのだろう。
     これからも空白を埋めるように世間にしっかりしがみついていってほしい。

    以下追記予定

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    2021/05/16 14:06

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