映像鑑賞
満足度★★★★
無観客配信。とは気付かなかったいつもの熱量。毛利さんの積極的な社会派演劇というのでちょっとドキドキしたがざっくり言うとどんな思想でも革命というからには破壊と悲劇が付きまとうということだろうか。そんな犠牲を払ってもやる意味があるのかというと人間の歴史を見ればそんな無茶なエネルギーが無いと世界は動かない。動かないと停滞して腐る。だから思想よりリアルな生の実感を求めて身を投じる若者がいても当然だ。思想に正解は無い。その時代に振り子がどちらに振れていてどこで極点を迎えて反転するかだ。私が生きている間に目撃した歴史もそれだ。ただ有史以来そういう振り子運動を繰り返す人間社会において、そろそろその振り子から自由になる認識に至ろうとする動きが広がっているのも感じる。もっと上昇して俯瞰する視点だが今世紀的課題は地上と繋がり続け同胞とも繋いだ手を離さない道だ。一人だけ浮遊するのではなく。だからスズキの裏切り者との絆が問われる。敵という存在と人の自然な他者への愛着との葛藤。精神と魂の対立。この止揚から生まれる第3の地点。