ドレッサー【2月26日(金)は公演中止/兵庫公演中止】 公演情報 加藤健一事務所「ドレッサー【2月26日(金)は公演中止/兵庫公演中止】」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    3度目の非常事態宣言が発令された京都府だったが、ギリギリで予定通りに公演が行われて良かった。翌日から宣言が発令されたので、会場のアルティも閉館となり、また翌日予定されていた神戸での公演も中止となった。何が何でもオリンピックをやりたい政府のために迷惑な話やなあ。この程度の規模の人手を抑えることに何の意味があろうか・・・
    さて、今回の上演作品は2002年に「戦場のピアニスト(The Pianist)」でロマン・ポランスキー(Roman Polanski)とともにアカデミー脚色賞を受賞しているイギリス人の劇作家・脚本家ロナルド・ハーウッド(Ronald Harwood)の作品。1980年3月に英国のマンチェスター(Manchester)で初演され、その後ロンドン(London)で2年近くロングラン上演され、また81年11月からは米国ブロードウェイ(Broadway)でも公演された。
    さらに1983年にピーター・イエーツ(Peter Yates)監督が映画化し、脚色賞の他、作品賞、監督賞、座長役のアルバート・フィニー(Albert Finney)、ノーマン役のトム・コートネイ(Tom Courtenay)の二人が主演男優賞にノミネートされた(この年の最優秀作品賞は
    「愛と追憶の日々(Terms of Endearment)」が受賞。
    日本では81年に座長:三津田健、ノーマン(Norman):平幹二朗、座長夫人:栗原小巻、アイリーン(Irene):市毛良枝という顔ぶれで初演された。加藤さんも88年に三國連太郎さんの座長に対するノーマン役をされた。他にもノーマンは柄本明さん、西村雅彦さん、小宮孝泰さんらが務め、2013年の三谷幸喜版では大泉洋さんが演じている。加藤健一事務所では3年前の2018年に初演。
    約5か月前に上演された「プレッシャー」もそうだったが、これも第2次世界大戦下の英国の話。折からの空襲と戦時下の心労で心神喪失気味な座長と彼を支えるドレッサー(着付け師)を中心として、シェイクスピア(Shakespeare)の「リア王(King Lear)」を上演する舞台裏を描く。
    加藤さんは、今回は座長を演じる。三国さんと演じた時からいつか座長をと思われてたととアフタートークでのお話。3年前の初演の時より笑いを抑えた演技にしたとのことで、確かにいつもの加藤さんとはちょっと違う役。
    主役はドレッサーのノーマンだな。加納幸和さんは1960年1月生まれなので、61歳。テレビにはほとんど出ない方舞台の方なので、初めて拝見した。劇団「花組芝居」の主宰で、全作品の脚本、演出を手掛け、主に歌舞伎をモチーフにした作品が多いそうだ。ノーマンはとにかくセリフ量がすごい。最初から最後までしゃべりづくめ。笑いを抑えた座長に対しノーマンは結構笑わせてくれる。他のキャストでは結構座長とノーマンは年の差があることがあるのだが、今回は座長に近い年のノーマンでやりたかったそうで、加納さんはピッタシだったわ。
    京都公演でしかやらないと云う、このような裏話を聞かせてくれた加藤さんと加納さんの15分余りの舞台上でのアフタートークも含めて3時間余り、楽しく過ごせた。早く平常の公演に戻れますように!

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    2021/04/26 18:28

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