チムドンドン~夜の学校のはなし~ 公演情報 劇団銅鑼「チムドンドン~夜の学校のはなし~」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    鑑賞日2021/03/24 (水) 14:00

    座席1階

    沖縄の夜間学校を舞台とした物語。戦後の混乱期、米軍の占領下で学校に通うことができなかったおじい、おばあたちの学びたいという前向きな思いと、授業を心から楽しむ姿を描く。沖縄の夜間学校だから沖縄戦の話は避けて通れないが、山谷典子作なのだからだろう。ここにも真正面から切り込んでいる。
    卒業式で、沖縄戦をテーマにした演劇をやることに。生徒たちが行うその演劇の台本を、インターネットで沖縄戦を調べるだけで今ひとつピンときていない沖縄の今の高校生が書くことになった。驚いたのは、沖縄戦を桃太郎に擬した、という流れだ。舞台で1人のおじいが「沖縄での戦争を桃太郎でなんて」と憤慨する場面も出てくるが、当然の思いだろう。だが、その答えはすぐにわかる。要するに、占領軍の米国、そして返還後の日本政府を鬼退治に行く桃太郎という設定とし、沖縄に対する加害者の視点から客席に考えてもらうのだ。
    ようやく占領から開放されても、米軍基地はわが物顔で沖縄を蹂躙し続け、日本政府もそれに加担しているという歴史。途中の換気休憩後の第二幕はほとんどこの劇中劇に費やされる。言いたいことは十分に分かるのだが少し教条的な感じもして、自分は若干引いてしまうところがあった。
    むしろ、前半部分で繰り広げられた「学び」の本当の意味を考えるというところをもっと見たかった。
    東京で一流の進学塾の人気講師だったという女性が、夜間中学の教師をしている姉の出産に伴う代用教員として赴任する。覚える順番を教え、効率よく学習内容を吸収できるようにする、という女性の教授法が空回りする。こういう設定に、すごく共感が持てた。自分たちは何のために学んできたのだ、という人生の根源的な問いを真正面から突きつけるからだ。

    この舞台はや「学びの意味」と「沖縄の思い」と二兎を追っている。座っているのがややきつい、2時間半を超える長さになったのは、そのためかもしれない。
    沖縄戦の経験をひ孫のような高校生に語るおじい、おばあのところは確かに感動的だった。だが、これを夜間中学の学びの意味を考えるような設定で取り上げられなかったのか。後半の劇中劇は努力賞だと思うが、二兎を追った結果としては満足できなかった。

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    2021/03/24 18:09

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