実演鑑賞
満足度★★★★
高畑充希さんのTVドラマは見たことがなかったので人気女優がたまたま歌うのだと舐めていたら、演技も歌も堂々とした実力派で腰を抜かしてしまった。知らなかったとはいえ失礼をお許しくださいと頭のなかで謝った。
宮野真守さんの歌も良い、宮澤エマさんは主役でないせいか伸び伸びと快調な歌いっぷり(*)、LiLiCoさんの歌声も重く響いて心地良い。そして特筆すべきはコーラスが奇麗に重なることである。ビブラートの位置が違っても声が溶け合うのは練習量の多さなのだろう。そして私の一押しはおばたのお兄さんだ。演技、歌、道化のどれも秀逸である。あの女子アナは見る目があったなあと感心した。
ストーリーはDVの夫に悩むジェナ(高畑)が妊娠する。望んではいなかったので悩み、浮気をしたりするが、生まれた赤ちゃんの顔を見てすべてを吹っ切って新しい生活に舵を切るというもの。ラブコメではないが問題作でもない、まあ甘くも辛くもないミュージカル用の土台である。そこに様々な演出が施され、俳優陣の素晴らしいパフォーマンスがそれに答えて飽きさせない。強いて言えば高畑さんがあまりに自信に満ちていてジェナの境遇にまったく心配を感じさせなかったのが不満と言えば不満である。少しはハラハラしたかったなあ。泣き所もなかったし。
(*)宮澤エマさんは主役になると委縮してしまうというのが過去の出演作を観た私の勝手な感想。