将棋図巧・煙詰~そして誰もいなくなった~ 公演情報 三栄町LIVE「将棋図巧・煙詰~そして誰もいなくなった~」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★

    Aチームを観劇。
    ゴスロリ美少女による復讐劇。
    登場人物は将棋の駒を擬人化しており、舞台上に設けられた将棋盤での詰将棋と脚本の展開が連動している。

    ただ、個人的には合わなかった…。

    ネタバレBOX

    ○良かった点
    ・キャスト陣が可愛らしい。
     ゴスロリのキャスト陣はたしかに可愛い。

    ☓悪かった点
    ・設定がステレオタイプすぎる
     「学生時代、いじめられていた少女による復讐劇」、「電話もつながらない孤島が舞台」、「悪役のいじめっ子はストレス解消のためにいじめをする典型的な悪役」、「他の登場人物はいじめを傍観する者やいじめそのものを止めようとしない学級委員長」とあまりにもベタすぎる舞台・人物設定。
     もちろん王道設定でも面白い芝居はあるだろうが、登場人物が将棋の駒の名前という以外ひねりも無く、主役の少女がいじめで不登校になっていた際、詰将棋にハマっていたという点もシナリオ上活かされていない。

    ・心理描写が乏しい
     登場人物の心理描写は主役のいじめられていた少女のほかは傍観者の一部にある程度で悪役側の心理描写は皆無。
     ステレオタイプないじめっ子・悪役としか言いようがなく、悪には悪の論理があるといった要素もないため、復讐の対象となって死んでも「悪い奴が因果応報で死んだ」という以上の感想が持てない。
     心理描写の少なさが人物像の深みの無さに繋がっているように感じる。

    ・謎解き要素が無い
     脚本演出の太田氏は前説で詰将棋作家伊藤看寿の「煙詰」とアガサ・クリスティの「そして誰もいなくなった」のコラボレーションと述べていたが…。
     ミステリーというには観客が謎解きをするような要素が無い(主人公による計画された復讐劇なのだから、犯人はあらかじめ分かっている)し、殺害方法や展開に意外性もない。
     煙詰の結果として、「そして誰もいなくなった」状況を作りたかったのかもしれないが、そのことありきで脚本が面白くなければ、意味がないと思う。

     総じて言えば、ミステリーとしては話の展開が単純すぎるし、復讐劇としては心理描写が薄すぎる。

    ・演技力が不足気味
     若い役者ばかりであり、ベテランのような演技力は望むべくもないかもしれないが…。
     声を張って、喋るシーンが長く続くため、全体として、抑揚に乏しいと感じる。
     詰将棋の展開と脚本を連動させるためかもしれないが、登場人物の入れ替わり・場面転換がとても多く、その割に喋り方が変わらないので、メリハリが無い。

     コロナ対策で客席と舞台の間にフィルムを張っていることから、ある程度の声量は必要かもしれないが、三栄町LIVESTAGEは小劇場の中でもとくに狭い劇場であり、静かに話すシーンは尺を長めにゆっくり話すといったメリハリの付け方もできるのではないかと思う。

    0

    2021/03/16 20:07

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大