満足度★★★★
万引きした女(白勢未生)と、映像関係のひも男(若杉宏二)他の脇役が良かった。部屋の住人である女性教師(南沢奈央)の都合はお構いなしに、自分の話ばかりして教師を振り回す。それでいて愛嬌があって、無碍にできない。「でてって」と言われれも全然平気なふてぶてしさ。で、ドラマを引っ張っていた。
とは言え、主役の南沢のオーラがあればこその舞台でもある。彼女の輝きがないと、2時間付き合うのは辛いだろう。特にまだ事件の始まらない前半は特に。
「岸辺のアルバム」をオマージュしたというだけあって、多摩川沿いに住む幸福な恋人たちの生活が、もろくも崩れていく展開。予期せぬ乱入者たちによってと思っていたら、意外にも女教師にもかつて教え子の進学希望を潰した黒い過去が明らかになる。エゴむき出しの教師の素顔。この落差が見事で、荒んだ生活のラストの南沢奈央は全然別人で「あれは教え子の方かな」と思ってしまった。