『布団漂流記』 公演情報 尾米タケル之一座「『布団漂流記』」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

     『布団漂流記』において、政府による不正事件をあからさまに嘲笑して皮肉った笑いや、何度か同じ様な動作や言動を繰り返し続ける笑い、体を張ったスラップスティックコメディの要素、騎士が自身の過去を語るシーンで映像で文字が浮かぶはずが浮かばず、肝心のことを言わずに終わったので、そのことに対して周りが突っ込んだりすることによって起きるその場限りの笑いなど、とにかく終始笑わせてくれたが、主人公の竹広が引きこもりだったり、非常に人間味溢れたラブドールが出てきたり、暗い過去を持つシングルマザーフミ江に敵とも味方ともつかぬ騎士などが出てきて、物語の中に、出てくるキャラの過去や引きずっているものに現代の社会問題を内包させていて、終わる頃にはグッとくるものがあった。
     主人公の竹広役の人が、本当の引きこもりってこんな感じだよなぁと感じさせるほど、演技から引きこもりの雰囲気を自然と醸し出していた。ほぼ主役と言って良いラブドール役の人は、劇中最後の方の竹広との○○○の場面で、手慣れた雰囲気と生々しさ、色気が際立った腰の振り方であったりの演技が目が離せない迫力があった。
     竹広が劇中後半で言う「次元の王が部屋から出られずに引きこもっているのは、皆の特にユキさんの、王様は責任を持って国を治め、政治を行い、命令を出さなければならず、まずは部屋から外に出てもらわないと、という大きな期待や価値観の押しつけ、次元の王を心配していろいろなことをする、そのことが王にとってむしろ大きなプレッシャーとなり、結果、10年、15年、いやもしかしたらそれ以上部屋から出ない引きこもり生活が続くんだよ!!分かるか!?ユキさんが良かれと思ってやること、皆が呼び掛けに来ることそれ自体が逆効果なんだよっ!!!!」的な台詞を聞いてなるほどなぁと引きこもりの心理が少し分かったような気がした。「そうだとして、だとしたら、どうすれば良いってのよ」という皆の意見に、竹広は「2、3日といわず、最低でも3ヶ月はユキさんはお暇でも頂いて、城の外に出て、長旅でもし、皆んなは執拗に次元の王に声をかけず、そっとしておいてあげようじゃないか」というような台詞を言っていて、必ずしも引きこもりの人を支援しようとしたり、応援しようとしたりして、何とか外に出て普通の生活ができて、仕事をすることが本人のためにも幸せであり、引きこもり当人の生きがいにもなっていくという考え方事態が間違いなんだなぁと深く考えさせられた😓引きこもりの人が立ち直るように応援したり、支援することで立ち直ることよりも、返って当人のプレッシャーになることの方が多いということをこの劇で知って、距離を置くことも大切なのだと痛感した😔

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    2021/03/01 00:13

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