満足度★★★
鑑賞日2020/09/26 (土)
やはり独特の空気。地点なんてただでさえ独特なのに(笑)、天皇制というリスキーなテーマに加えて、更にコロナ禍対応で練られた演出が異様な空気を生み出す。
技術的にも"声"の扱いは興味深く、単なるコロナ対策を超えて踏み込んでいる辺りは演出の見事な自負だなと思う。
さて… 戯曲をぶった切って調理するのは三浦さんお手の物だけど、普通に物語が展開するのではなく、断片的な言葉の数々…その連なりと繰り返しに訳も分からず浸っているうちにボンヤリとイメージが浮かんでくる。それは… 伝わってくるというよりは台詞群を触媒に「現実」から浮かび上がってくる感じだ。
そもそも説明的な要素はほぼ無くて(と思うんだが…)、事前に未見だったフライヤーのあらすじは素より、登場人物名に応じた展開すらイメージに浮かんでこず、物語というよりは 主題を取り巻く人々の歪んだ想念やその亡霊の幻影をただ眺めて…連想する現実に想いを馳せていた。その割に響いてくるキーワードもあったし、誤読かもしれないが かなりヤバめな趣旨の提言も想起して戦々恐々だ。