三国志〜たった二人の赤壁の戦い〜 公演情報 国産本マグロ「三国志〜たった二人の赤壁の戦い〜」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    三国志は学生時代に読んだ。公演の前説では横山光輝氏の「三国志」(漫画)を紹介していたが…。映画「レッドクリフ」(partⅠ、partⅡ)も観ているから、内容の面白さは十分理解しているつもりだ。2人だけで三国志の主要人物を演じ、特に「赤壁の戦い」はその中でも有名な人物が登場し、よく知られた8場面を持って分かり易く展開していく。2人だけと記したが、正確には案内役2人と舞い手(ダンサー)2人がおり、物語を立体的に構成していく。芝居だけではなくコント的要素も取り入れ笑いを誘い、観客を飽きさせない工夫もある。なにより2人だけで三国志という時代絵巻の壮大なスケール感を出そうと試みているところが魅力的だ。
    (上演時間2時間 途中 換気の休憩あり)

    ネタバレBOX

    セットは可動式の衝立2つ、箱馬2つというシンプルなもの。もっとも合戦劇であるからアクションスペースを確保する必要があるため理に適っている。物語は西暦180年~280年頃の中国ということで、中国歴史に詳しい人でなければ背景・状況が理解し難い。その分かり難さを補うために案内役(雰囲気ある衣装と髪型)が適宜登場し、上手・下手側にそれぞれ立ち第1場から第8場を要領よく説明していく。
    またダンサー2人が合戦時における雑兵役を担うが、赤壁に因んだのだろうか、真っ赤な衣装を纏っている。そして音響はもちろん照明も凝らしている。例えば第3場で諸葛孔明が曹操軍から闇夜に10万本の矢を奪うシーンでは暗転しレーザービームライトで矢を射ているような効果で観(魅)せる。

    基本的には2人だけで演じるから現在の会話劇にならざるを得ないが、身体を回転させることで人物が変わったイメージを持たせる。オーソドックスな方法であるが、そこに人物風貌を面白可笑しく加え説明することで取りあえず物語を進める。物語に登場する人物はもちろん、本公演の副題ーたった2人の赤壁の戦いーというキャッチコピーからすると、役者2人もアヴァンギャルドな漢(おとこ)という印象を持った。

    最後に、物語を知っているか否かで観客の興味・理解度合いも異なると思うが、時々に入るコント的な妙味とダンスパフォーマンスが公演を盛り上げる。新年早々とても面白い「三国志」を観ることが出来た。
    次回公演も楽しみにしております。

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    2021/01/05 16:45

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