満足度★★★
科学の時代になっても人間は人間を超える何者か、自分たちの運命に介入する打ち勝ち難い力を感じるものらしい。結局有史以来問われているのはその超越性との関係とも言える。SFやサブカルの作品で表現されるそれら超越的存在は言わずもがなどんな姿形をしていようと“神”のメタファーであることは自明だろう。そこで描かれるのはそれと人間との関係である。人間が“神”になり代わってるのもある。支配と服従で自立しようとする人間の敵となる場合もある。人類滅亡計画という切り札を隠し持った“神”もいる。あるいは攻殻機動隊のように人間が“神”の方へ行き上位世界を産み出す協力者になる場合もある。あるいはナウシカのように浄化や進化のために禍々しいものを背負わされてしまった者と共に超越者に挑む話しもある。そういう切り口でPSYCHO-PASSを見ると、今の所ジュビラ神と人間は共に進化しようとしているようだ。神も進化のために人間を必要としている、と述べた欧米の学者は実際に居る。今回はジュビラ神の本音と建前というか、暗黒面をはっきりと見せられた感じだ。そこに人間がどういう作用を及ぼすのかというテーマはある意味既に旧約聖書で語られている。例えばヨブ記がそうだと言う。C.G.ユングはこの時点で人間ヨブは神を越えてるとも言って物議を醸した。果たしてPSYCHO-PASSはどうなっていくのだろう。やっぱり常守朱がキーパーソンか???
オープニング等にブレードランナーや攻殻機動隊のオマージュが散りばめられてて楽しかった。セリフがそのまま使われてたりもして驚いた。セットも凝っていたと思う。