満足度★★★★★
私にとっては3年振りの加藤健一事務所公演。5月に予定されていた公演がコロナ禍で中止になり、私は行ってないが19年6月から1年半振り。政府からはこの規模の劇場では満席OKが出ているが、主催者判断だろうが1席置きでの開催。現状ではやむを得ないだろうが、早く満席に戻ることを祈る。加藤さんは終演後の挨拶で、これまでルールを守った公演では観客には1人も感染は出ていないことを強調されていた。今回は映画でも活躍するオリビエ賞受賞の俳優、デービッド・ヘイグ(David Haig)が書いた戯曲で、2014年5月に彼の主演で英国のエジンバラ(Edinburgh)で初上演された。第2次大戦の連合軍のノルマンディー上陸の4日前から、上陸作戦に大きな影響を与える天候予報を行った、スコットランド人の気象学者を中心に、作戦の中止から翌日への延期の舞台裏を実話に基づいて描いている。加藤さんは主役の博士を演じているが、終演後のアフタート-クによると、この舞台を英国で見た方が、加藤さんにピッタシと思って教えてくれたと云うだけあって、まさにピッタシの役。時にはユーモアを交えながら、難しい気象用語もすらすらと操る。ただ、これは結構大変だったそうで、アフタートークで予報で対立する米国人の気象予報士を演じた山崎銀之丞さんと二人で、苦労した旨を話されてた。その銀之丞もこの物語の重要な位置付けになる役を熱演。また、全体としては長台詞も多く、出番の多いアイゼンハワー大将を演じた原康義や大将の私設秘書的な立場の女性中尉を演じる加藤忍さんもとても重要な役を完璧に演じられてた。加藤さんと銀之丞さんの30分の舞台上でのアフタートークも含めて3時間半、久々に至福の時間を過ごすことが出来た。