『迷子の時間』-「語る室」2020- 公演情報 パルコ・プロデュース「『迷子の時間』-「語る室」2020-」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    よかったです。前川知大ワールドの入門編という感じ。亀梨和也の舞台は初めてでしたが、今回は語り手的存在で、真面目さと冷静さで物語をクールに進めてました。5年前に起きた幼稚園送迎バスの失踪事件の被害者家族の生活が丹念に描かれていく。消えた幼児の母親役の貫地谷しほりさんがうまい。見惚れました。それと、愛車を盗まれたという、東京からきた霊媒師(古屋龍太)が良かった。謎を解く鍵を握るトリックスター的道化ぶりが、浮くことなく決まっていた。

    観劇日は生越千晴さんの誕生日だった。28歳。蓬莱竜太の舞台ではよく見ていたが、今回はガラッと変わった世界観で、別人のようだった。大ベテランや人気俳優に囲まれて大変だったかもしれない。でもこれもよし。

    ネタバレBOX

    後半になって、霊媒師の元に「僕幽霊なんです」というガルシア(松岡広大)が現れる。戸籍のない彼は、なんと2000年に失踪したバス運転手の残した幼児。2022年からタイムスリップしてきたという。ここで、失踪事件がタイムスリップらしいとわかる。

    消えた二人(一人は浅利陽介)も生きていたことがわかり、意外な形で登場する。あまり昔に飛んでしまうと出会いようがないが、そこはほどほどの30年ほど。
    結局、観客に謎の答はわかるが、登場人物たちは謎を知らないままに終わる。そこが少々おとなしいところ。大きな発見の落差はドラマの中では起きない。
    最近の前川ワールドの、展開の飛躍ぶりからすると、入門編と感じた所以です。

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    2020/11/09 22:21

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