満足度★★★★
10月22日、中野ザ・ポケットで上演された東京印「one cup of rice」~おにぎりのむすび方~2020を観てきた。これは、知人の役者・古川奈苗が出演した関係からである。ちなみに、東京印の公演を観るのは今回が初めてであった。
実はこの作品、タイトルに「2020」と付いているように以前上演された作品の再演である。今回は一部細かな点を改訂しての再演ということであった。
舞台は、とある街のおむすび屋。その店のアルバイト店員同士や常連客同士の恋愛(特に中心となるのは学校の教師を務める男性と飲み屋のママとの赤いバラを巡っての恋愛騒動)と、不慮の事故で死んだ娘を思うおむすび屋夫婦と、その娘の心臓を移植され自分探しをしておむすび屋を訪れる女性との話の2つが絡み合った笑いと涙の人情劇である。役者に与えられた役柄は重要で、今まで観てきた舞台の中では劇団時間制作の作品にちょっと近い。時間制作の舞台に流れる緊張感を緩くして、役者の自由性を広げるとこんな感じになるのかな。
印象深い役者としては、おむすび屋の主人役・小野剛民、自分探しの女性役・古賀成美、バラの恋愛騒動の女性役・佐藤恵美。亀の恩返し的な役だった役だった古川奈苗も、淡々とした表情での演技が似合っていた。
この舞台、役者によって随分と印象の変わる作品になるのではないかなぁ。
再々演を期待したい。