満足度★★★
ダイナミックな演出はまさに「娯楽時代劇」
鬼の文字が使われているので伝奇系かと思いきや、土方歳三を主人公に据えた幕末モノ。その意味では一昨年の高杉晋作を描いた第6回公演『ハナレウシ』と同系列。
本作を含む8回の公演(番外公演が1回ある)の中で一番舞台が広いであろうこの会場だけに殺陣を筆頭としたダイナミックな演出はまさに「娯楽時代劇」。オープニングのクレジットや音楽の多用はちょっと映画っぽくさえもあるか?
娯楽という点では女スリと少年のコンビが「志なら持っているぜぃ!」と入隊を志願して、スリは情報収集役に、少年は近藤勇の養子に、なんてエピソードなども絡ませてあるのがミソ。
そんな彩りもあったので、第一幕75分、休憩15分、第二幕95分と、休憩込みで3時間を超える大作もさほど長くは感じず。
ただ、土方の五稜郭での戦いまで描くので終盤でちょっとモタついた感はアリ。