針 公演情報 メタリック農家「」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度

    この作品にお客が入ることの無力感
    ネタバレボックスに書きます。

    ネタバレBOX

    ・目が覚めると一国の王女になっていた
    ・幸せのための3つの法律を制定した
    この二つが作品の核になる設定で、これが魅力的だと感じたからこそ観に行ったわけですが、前半での情報の提示も中途半端、かつ最後まで有機的に機能していなかったように感じます。
    しかしそんな技術的な拙さは枚挙に暇がありませんし、これから語ることに比べたら大したことではありません。お客につまらないものを見せてお金と時間を浪費させたということを差し引けば、「下手だ」というだけの話ですから。

    この舞台の最大の罪は在日ネタと「馬鹿な妹」に代表される軽薄さ、品の無さです。
    不謹慎なことをやるのは構わないと思いますが、それには確固たる視座とそれによって人を傷つけるという覚悟が必要だと思うのです。
    在日の問題は大変根が深いことでありながら、この作品は上っ面だけなぞり在日の人間を馬鹿にしています。もちろんそれが作品の本筋ではありませんし(むしろ無くても成立した設定でしょう)、問題の深さを語るべきだと言うつもりは毛頭ありません。しかし分かった上でやるべきだとは思います。それがネタにする礼儀というものではないでしょうか。
    「馬鹿な妹」に関しては、馬鹿=知的障害者という認識で描かれた人物でした。百歩譲って知的障害者を笑いものにするにしても、「馬鹿な妹」という役名はあまりに無神経で、下品ではないでしょうか? そしてこんな役名をつけられて出演する役者にも疑問を感じざるを得ません。ここは人間を批評する場ではなく、作品を批評する場ですのでこれ以上は言いませんが、僕は心底悲しくなりました。

    今までの作品を観ていないから何とも言えませんが、こんな作品で駅前劇場が満席になるということに無力感を覚えます。

    少なくとも劇作と演出に関しては実力以外で売れていることを肝に銘じるべきだと思います。

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    2009/05/08 02:55

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