満足度★★
金八先生は、いなかった
初日に観劇。
縁あってチケットが回ってきたので足を運びました。
劇場内は、熱心な四季ファン(後援会)の方々と、
いかにも関係者風な方々でいっぱい。
黒ずくめな劇団関係者が入り口前にズラっと並んで、
ご贔屓筋に御敬礼。
なんだか、トニー賞に絡んだ。
ブロートウェィミュージカルの日本初演の初日って、
華やかな雰囲気ではなく、なにか独特の空気が・・・怖い怖い!!!
以前から、この作品が日本で上演される時は、
ジャニーズとグラビア系のアイドルで、東京グローブ座(パルコでも
いい)と思っていた。
それが、よりによって、品行方正な四季で、え~って思っていたら、
予想と期待を裏切らない、
優等生が無理無理に不良を演じている、
ちぐはぐな作品となっていた。
見た目が綺麗な若手が、溢れ出す熱気と、ほとばしる汗を
キラキラさせながら、演じて初めて成り立つ作品なのだが、
いつもの、活舌よく、はきはきと、
「大切なのは台詞をはっきりということ」節で上演しているから、
芝居に勢いがないのだ。
シェイクスピアや、ファミリーミュージカルじゃあるまいし。
歌も演歌は歌詞がしっかり聞こえなきゃいけないけど、
活舌よいロックって、これじゃシャウトしないぜよ。
内容は、古い原作ということもあるのだが、
25年前の金八先生の世界。
もう何度も取り上げられたような題材で目新しさは一切なし。
主役を演じていた柿澤って男の子は、
ジャニーズの後ろで踊っていそうな、
ハンサムだけど、ちょっと地味な男の子。
四季での舞台の経験は少ないみたいだけど、
彼は、四季に入る前に、どっかにいたんじゃないかな。
初日だけど、堂々と演じていた。
彼はまぁいいとして、
問題はヒロイン、林って女の子。
お歌は上手だけど、
なんというか決してアイドルの顔立ちではない。
かわいくないと、感情移入ができないんだよなぁ。
小さい劇場で上演するのだから、やっぱ見た目は大事。
外人が絡んでいるから、オリエンタルな顔立ちなら○なのか。
「若手の人が中心になる作品へ不安はないか、
やはりベテランが演じたほうがいいのか」という
質問が、いろいろな媒体で掲載されていました。
「思い切った冒険です」と四季のコメント。
若い子が主役の話なんだから、役者の経験が少ないのは
当たり前なのに、何を話しているんだろう、と。
真面目に、この10代の子供たちの話も、
野村玲子がオンディーヌよろしく演じようと思っていそう。
そして、その思想を支持す四季フリークの方々。
あぁ怖い。
文化の開放、ぜひ、商業演劇にて改めて、上演してほしい。