アントン、猫、クリ♥KR-14【篠田千明】 公演情報 キレなかった14才♥りたーんず「アントン、猫、クリ♥KR-14【篠田千明】」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    細分化された風景の言語化
    篠田さんの作品は快快を数回見てますが、最近は神出鬼没なためなかなか追えずにいたので何だか久しぶりに見たような感覚。

    毎回決まった形の舞台は作らないのでどのような舞台になるのか想像がつかなかったのですが、今回は実験演劇と言っていいような、全く新しいアプローチでした。

    少なくとも自分はこのようなスタイルの演劇は見たことはないです。
    なので、最初はとっかかりが見つけられずにちょっと戸惑ったのでした。

    ネタバレBOX

    中村真生さんが舞台上にひとりで単語を口にして情景を作っていきます。
    最初は物語性も一切なく、見ていて感情の入る隙もないまま展開してゆくので、演じている役者さんは大変だろうな、と思ってしまいました。
    セリフと段取りを頭に入れて、キッカケやタイミングを意識しつつ、たった一人で見せなければならないのだから、頭の中はフル回転では。

    でも、中村真生さんという女優さんの魅力がそこはかとなく出ていて、何となく見れてしまうのです。
    途中からもうひとり男性が入ってきます。

    カワムラアツノリさんが入ってきても、最初はあまり交わらず、個々に勝手に言葉を並べているという感じなのだけど、「落ちたパンツを返す」という辺りの男の葛藤のあたりが滑稽で、またこれを返される中村真生さんの恥ずかしげな様子がおかしかった!

    この舞台上の人間をつないでいるのは「アントン」「クリ」と呼ばれる猫なのだけど、その存在がそんなに重要かというとそうでもなくて、ゆるやかーに関係性を繋いでゆきます。

    全体的に実験性に富んだお芝居で、面白いとか感動したとかの感覚は得られませんでした。

    ちょっとしたシーンを見るだけでも篠田さんの人間を描く繊細さは見て取れるのだけど、それを敢えて中心に持ってこないで、実験的な手法を試したこの作品は「興味深い」作品でした。

    篠田さんのこの作品に対する考えや込めた思い等を聞いてみたいです。

    0

    2009/05/05 03:44

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大