いのうえ歌舞伎『偽義経冥界歌』 【大阪・東京 休演(2月28日~3月17日) / 福岡全公演中止 】 公演情報 劇団☆新感線「いのうえ歌舞伎『偽義経冥界歌』 【大阪・東京 休演(2月28日~3月17日) / 福岡全公演中止 】」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    源義経と奥州藤原氏のお話だがいきなり牛若丸(=義経)が死んでしまうなど、いつもの劇団☆新感線である。予備知識はいらないし、ストーリーの細部を追う必要もない。流れに身を任せていれば役者さんの持ち味を存分に楽しむことができるだろう。

    このしょうもないお話の中で、あり得ないくらいの振れ幅の役を生田斗真さんは全力で完璧に演じていた。私の鑑賞力、語彙力のなさで素晴らしさをうまく伝えられないのが残念である。
    早乙女友貴さんの殺陣は他の方の2倍のスピードだ。出番も多く、ファンの方はたまらないだろう。演技も牛若丸をある時はわがままでアホな主人、あるときは他者を寄せ付けぬ悪の剣豪として見事に表現していた。
    藤原さくらさんのフォーク調、カントリー調の歌が意外にこの時代劇の舞台に合っていた。やや小ぶりの「ギター風楽器」は過大な音量増幅が驚くほど効果的であった。歌は本職だからもちろん良いが、セリフは時々芝居らしくないところがあって一瞬現実に引き戻されるのがちょっと気になった。
    そして私の一押しは「りょう」さんである。ダイナミックな演技に痺れっぱなしだった。力を込めたセリフがいささかの揺らぎもなく脳天を直撃する。TVで見る不思議な魅力の女優さんというイメージとは全然違っている。一番、いのうえ「歌舞伎」を感じさせてくれた。

    私の中に「髑髏城の7人」のイメージがまだ残っているので豊洲の回転劇場で観たかったという思いが最後まで残った。ちょっと渋々のスタンディングオベーション。満足度は星4つ半。

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    2020/02/19 07:46

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