メアリー・ステュアート 公演情報 アン・ラト(unrato)「メアリー・ステュアート」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    蜷川舞台の演助出身演出として、藤田俊太郎氏も大河内直子氏も未見だったが今回初めて大河内演出舞台を赤坂REDTHEATERで観、「演出」の仕事としてハッとさせられるものがあった。濃密な二人芝居、疲労のため一幕の後半は実に気持ちよく眠ってしまったが、後半集中できた。歴史の中の女性(権力者)の生きざまが現代的な視線によって再照射された戯曲は、作者の思いが硬質な作りの中から滲み出る風であった。メアリーを断頭台へと送った後、物語は色を変えた照明の中に浮き、二人は芝居の冒頭そこに居た両脇のそれぞれの机(楽屋の一角をイメージ)に戻り、黙って身づくろいをする。中央奥に据えられたアクリル製の?大鏡の周囲には雑然と歴史の遺物が積まれ配置されているが、空いた真ん中の演技エリアには土俵のような円が白く描かれ、芝居中にも活用されるが人と物がなくなったラストにはそれが歴史の表舞台の暗喩となり、薄れていく明りが最後にそれを残して消える。言語説明では追いつかない大きな文脈を表わす非言語表現になっており、これを描かせる感性は芸術家のそれであるなと、思わせるものがあった。
    二女優を私は知らなかったが、素材の個性と堅実な仕事ぶりとが印象に。ただメアリー・スチュアートとエリザベス女王だけでなく、それぞれのお付とのやり取り等主役二名以外の役になり替わると、すぐには判りづらく台詞幾つか分置いて行かれる事も。展開の心地よい速度を優先し、俳優はよく動いていたが。。

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    2020/02/15 03:53

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