『大人の銀河鉄道の夜』 公演情報 お茶の間ゴブリン「『大人の銀河鉄道の夜』」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    自分の人生は自分のもの、そんな当たり前のことが分からなくなる時がある。その時に現れるのが上野公園、国立科学博物館前のSL銀河鉄道である。その(始発)駅は既に廃駅になっている「博物館動物園駅」から飛び立つと…。人生の岐路 迷ったとき、いろいろな人からのアドバイスを受けるが、最終的に決めるのは自分だ。それまでの地位や名誉、さらには美貌などもいつかは無くなり衰える。それに しがみ付くことなくしっかり考え生きていく。かと言って迷い考え過ぎて決断できない、それも何かの時機を逸してしまう。
    そんな「大人の思考」...銀河鉄道の旅というファンタジーな世界観で堪能させる秀作。
    (上演時間1時間50分)

    ネタバレBOX

    舞台セットは形状の異なる箱馬が並べられ、物語が展開するたびに置く位置や組み合わせを変え情景を演出する。後ろは市松模様の床、後景は少し高い箱馬が見える。そのシルエットは高層住宅をイメージさせる。箱馬に刻まれた彫刻模様への照明は、幻想的な効果=銀河への旅立ちを印象付けるもの。ただ銀河鉄道のイメージはこのシーンだけ。出来れば、暗転時に大掛かりでなくても豆電球の点滅などで雰囲気作りが出来ないだろうか。これも小ネタにある、小劇場的な制約か大人の事情だろうか?

    物語は岡田奈津美(大手企業OL)と飯田梨花(水商売 Bar)という2人の女性が、キャリアか恋か、もっと言えば自分は何をしたいのか?そんな悩める姿を通して、誰もが経験するような思考を共感させる巧みさ。もちろん、この物語のタイトルから「銀河鉄道999」を連想させ、さらに「銀河鉄道の夜」や「青い鳥」といった基の物語の枠組みを上手く盛り込んでいる。もともと寓話性が強いが、本公演はパロディとして上書き、敢えてそれを強調する手法で独自の演劇スタイルを構築しているところが好い。
    後日追記

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    2020/01/25 10:58

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