満足度★★★★★
鑑賞日2019/12/15 (日)
近未来SF的な設定で強力に興味を引かれる導入。そこに異物(ムネオ)が現れる所から急速に予想の斜め上を駆け抜けていった… 脳内にパラダイムシフトを強いる…そんな悦びも危うさも感じる演劇。
裏付けなし(一見そう見える)の論理的な飛躍により醸される「カルト的な空気」は、それだけで胸に拒絶感を湧き起こすけど、メタ的に描き出される神話的… 創世記的な二重世界の構成が… そんな社会通念的な禁忌の裏にも、一抹の真理があるのかも…って思わせる感覚を湧き立たせるのは、興味深くもあり、恐ろしくもあり。
とりあえず、端々の極めて強いアイロニーに、やっぱり現実世界には絶望感しか残らない後味だけど(苦笑)、最早…そこで残された時間をどう生きていくか…って考えにシフトしていく内なる感覚はちょっとヤバみ有り。後ろ向きなのか前向きなのか… ワケ分からん新たなる終末観かな。
全般的に独特な気持ち悪さを醸すのが印象的(悪い意味では無い)。前に観た松井周作品が2014年の「地下室」でその時の感触も少し蘇った。(余談だが、芝居観始めの年でのアレは忘れられない笑。)
あと、とりあえずもうピュアな気持ちで相撲を観ることができなくなった、どうしてくれる笑。