満足度★★★
鑑賞日2019/06/23 (日)
「ある男、ある夏」仄かに不条理感を醸しながら、ジワジワ迫る現実的な不安感、そして生き辛さ。その重苦しさの中… 突き抜けるトーンの笑い声で駆け抜ける星の王子様の妹が印象的。不条理の世界からスパッと現実に引き戻す結末も切なくて良い。
「殺意〜ストリップショウ〜」元山未奈美さんの鬼気迫る表現力の凄まじさ。タイトルに違うことなき圧巻の狂気。そして、それを冷静に客観視しているもう一つの視線が芝居に深みを持たせる。ほぼモノローグで染まる態の戯曲を柔軟にアレンジ、巧みなキャスティングの妙が主人公を周りから深彫りしていくのが分かる…対照的な嶋﨑友莉亜さんと絡めた相乗効果が高い…終盤の畳み掛けに良い味ある。
あとやっぱ宮谷さんのギャップの作り方は堪らなく良い。周りで一樹さんらが固めるKIMYOらしからぬ空気もしっかり近代文学の味で大満足!