満足度★★★★★
馬渕英俚可さん目当てに観劇。繰り返す戦争に終わりは無いのか。殺陣と愛の表現が見もの。
赤の国と黒の国の長きにわたる戦争を背景に、繰り広げられる愛憎劇。
黒の国の「二人の貴公子」に片岡愛之助/中村獅童。
片岡さんは裏切りと陰謀、嘘を演じ、さすがにうまい。
獅童さんは、荒々しく逞しくひたすらまっすぐに。
赤の国の王女、黒木メイサさんは凛々しい戦士役が似合う。「あずみ」「何日君再来」と同様の役が続いてます。
戦争の繰り返しが両国にとって大きな意味があり、愛さえも闘いで感じるという、
獅童×黒木の関係も、迫力のある殺陣でよく表現されています。
他の殺陣・戦闘も迫力満点。特に3列目だったのもあって。
そして注目の馬渕英俚可さんは、やはりうまい。
今回は少しオーバー気味な感情表現で。
ただ出演時間は短い。もっともっと演技が観たくなります。
南沢奈央さん(長澤まさみに少し似ている)も、一幕と二幕では打って変わった演技で好演。
田口守さんの牢番は、その落ち着きが怖い。特に娘に対する態度がおぞましい。
中山仁さんは、津嘉山正種さん急病のための代役だったんですねぇ。心配です。
逆に、最近お見かけしなかった中山仁さんがお元気でうれしい。
飄々とした味がありました。
津嘉山さんの王も観たかったですが、きっと中山さんより強く逞しい王になったでしょうか。
(良い悪いではなくて)
最もキーになる役の中嶋しゅうさんも、その冷静さ、冷徹さが恐ろしい。
※中山仁さんは29年前に「ウルトラマン80」UGM隊長を演じてましたが、同じく、UGMイトウチーフをこの夜に観た「ミュージカルスターは夢を見る」に出演された大門正明さんがやってました。