libido:青い鳥 公演情報 libido:「libido:青い鳥」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    利賀演劇人コンクールで2017年の優秀賞を取った3名(いずれも「青い鳥」演出で/最優秀賞無し)の内、二席(二等)の受賞者・岩澤哲野氏による作品。但し利賀では60分、本作は15分ばかり長いバージョン、さすが「演出」コンペ受賞作とあって演出で魅せていた。
    利賀での他の受賞者は一席・松村翔子(モメラス)、三席・Ash(カワサキアリス)。「青い鳥」3バージョンを是非セットで観たいと思ったものだが、上の二名の「青い鳥」(一つは受賞作そのものではないが)は目にしたのでこれでピースが揃った事になる。Ash氏のは「利賀では端折ってしまった箇所」(「青い鳥」後半、誕生を待つ魂の世界)をモチーフにした独特な二人芝居で中々興味深かったが、松村氏のはほぼ利賀上演版でSTスポットという狭い場所で観た。コンペが「テキストvs演出」のバトルを見るものとすれば、前者はオリジナル・テキストのため考察できないが、後者及び今回のは確かに演出的側面の色濃い舞台。松村演出は(細部は忘れたが)空間を四角く縁取り、窓を思わせる木枠を使い回して細やかに場面を転回する俳優の動きが印象的だった。今回のはチルチルとミチルを男女の性別通り特定の二名を配し、他は黒っぽい被り物的羽織をまとい、コロス的に立ち回る。二人の演技がナチュラルであるのが(この場合)特徴と言えるだろうか。今回アゴラの通常の入口側をステージとしたが、その理由がラストに判る。寝ている兄をそのままにして、妹が扉を開けると、現実の光が差し込む。自然光の雄弁さが際立った(これは時間帯を選ぶが、会場に合わせた演出なら今回だけの特典という事に)。

    ネタバレBOX

    件の演出を拡張するなら(というか私の好みを言えば)、ラストの構図の劇的効果を残して、カーテンコール無し、暗転の後俳優は皆いなくなって、先程の扉だけが開いている。全てが夢であったクリスマスの朝を観客も迎えた的な。無責任な意見だが。

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    2019/12/26 03:29

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