満足度★★★★
鑑賞日2019/12/16 (月) 19:30
座席1階
On7の「その頬、熱戦に焼かれ」という見事な舞台を見てから、On7には注目をしていた。今回、On7の旗揚げ公演の演目ということで楽しみにして見に行った。とてもシンプルで美しい舞台だったが、パンチは欠けていたか。
7歳から77歳まで10歳間隔で切り取った女性の人生を7人の女優たちが夫や恋人、家族も含めた多彩な登場人物を複数、うまく演じきった。時には効果音も「うたったり」して、小劇場らしい人間味のある舞台だった。
しかし、今一つ何かが欠けている。役者たちの情熱は熱いし、7人はみんな若くてきれいだし、男性の声色もうまく出ていたし、何も文句をつけられる場面はないのに。それはきっと、この女性の人生のとらえ方があまりにも普通だったためではないのか。普通の人の普通の人生でも、客席の心をわしづかみにするような、心が震えるような、何かそんな場面があったのではないか。「熱線」の舞台にはそれがあったから、On7の舞台はすごいという印象があったのだ。
「ななこ」の命が消えていく場面は美しいが、77歳の人生はそれだけではなかったはず。これは自分の想像だが、77歳を超えたななこが認知症になり、自分の人生の断片を脈絡もなく語りだす。介護する家族はこれに振り回されるが、ななこの気持ちを真正面から受け止めた介護ヘルパーが、ななこの最後の友人となる。ここまでくると妄想か。
2019/12/17 19:47
77歳の場面は、まさに認知症になった場面という設定でした。ななこの記憶がバラバラに分断された(ここだけ、ななこが7人に分裂していて)、ななこは起き抜けに、しゅわわーなど、不可解なことを言ったり、夫との会話がうまく成立せず、ついには夫を初恋の人のななせ君と思い込んで、夫に向かって嬉しそうに初恋の人の名前を2回も呼びかけてしまっています、、設定が伝わりにくかったようで、申し訳ありません。観劇してない方も読むものなので、補足させていただきました。。