Butterflies in my stomach 公演情報 青☆組「Butterflies in my stomach」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    或る女性・ななこ の7歳から77歳までの10年間隔の物語。7人の女優、7脚の椅子という”7”拘りの公演は、上演時間も77分間の人生(あゆみ)。公演は抒情的な観せ方で印象付けが実に巧い。
    理屈を言えば、7は数学的には素数であり 自分自身のみ...つまり人の一生はその人自身のものでしかないことを意味する。”7”拘りと関係があるかどうかは分からないけど。
    さて、物語は面白いが、卑小と思いつつも気になることが…。

    ネタバレBOX

    舞台セットは、大きな 縄のれん のような後景、そして椅子7脚。上演前は横一列に並べてあったが、物語が始まると適宜動かし、その配置によって情景を紡ぎ出す。演者は女優7人で、それぞれの年代を演じ分けながら、その時々に登場する他の人物も演じる。7歳から67歳までの10年間隔を、その年代にあった出来事などをトピックとし、77歳で鬼籍という或る女性の一生を描く。

    物語は7歳-母親の印象と思い(チラシにある一文)、17歳-恋愛経験と衝撃的な結末、27歳-結婚と妊娠、37歳--小学生の娘との関わり(学芸会)、47歳-実父の看取り、57歳-定年を迎えた夫との関わり、67歳-痴呆の進行といった平凡だが、それだけにリアルに迫ってくるものがある。冒頭は朗読劇のように7人が文庫本?を持ち、さながら回想日記を読んでいるような気にさせる。物語は年代を順々に紡ぐが、場面に応じて椅子に座ったり、その上に立ち上がったり、または周りを回るような動作で、静止した場面は少ない。そこには人生の歩み、立ち止まっている姿(暇)はないといったメッセージのようだ。動的な中に、時々”しゅわわゎ”という炭酸飲料の蓋を開ける時に生じる音のような、それを擬声音で聞かせる。それが浮遊感をイメージさせ、実体がないだけに不安であるが 同時に安らぎも感じさせる不思議な効果をもたらす。この擬声音は他にも波音やカモメの鳴き声など、実に見事に聞かせる。

    公演が抒情的に思えるのは、もちろん物語が10年間隔で描かれ、緊密な連続性がないことから詩的な印象を持つこと。そして照明・音響(音楽)といった舞台技術がしっかり計算され、繊細で情緒的な観せ方をするところ。例えば、照明により後景の 縄のれんに人影を映し出すが、微かに揺れている縄筋が人影を妖しくし、77歳の臨終(記憶の錯綜もあり)は、オーソドックスではあるがランタンの炎(命)を消すという行為。音楽は時々の情景に合った選曲をしており硬軟使い分けも良かった。
    公演全体としては、脚本・演出・舞台技術はもちろん、女優7人の息の合った演技(ムーヴメントも含め)は観応え十分だ。或る女性の一生であるから、共通した女をイメージさせなければならないが、そこは衣装で工夫をしている。全員が色違いであるがロングフレアースカート、上着は多少形状は違うが白色系ブラウスで統一という細かさ。

    最後に気になったのは、57歳のトピックである。夫が定年退職になり家に居ることが多くなり息苦しいような描き。確かに週刊誌やTV番組の話題になることもあるが、他の年代に比べインパクトが弱いような気がする。例えば、女性の身体の変化など、同性には理解でき共感を得、男性には理解し難いことを描き関心を惹くこともできるのでは...。
    自分が観た回にアフタートークがあったが、その時に吉田小夏女史が、67歳は実年齢より老けたイメージにしていると語っていた。今の時代は65歳まで就労する人が増え、更には70歳定年延長という論議まで出ている。その意味で時代感覚に合わないような…。
    次回公演も楽しみにしております。

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    2019/12/16 07:23

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