女々しくて 公演情報 ブルドッキングヘッドロック「女々しくて」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    リアルな女性群像劇
    えーと。口コミとか言いながら、いつも公演期間が終わってからの感想ですみませんです。
    どうも、自分の中で受け取ったものを熟成させんと文字として感想が上がって来ないもんで。

    さて、新宿ゴールデン街という…多分こういう機会でもなきゃ素人女性が一人で足を踏み入れることもなさげな劇場での
    女性だけの芝居、しかも作・演出の喜安浩平氏の加虐的なPR文。
    何が起きるやらと怖いようなワクワクするような妙な期待に胸膨らませつつ
    劇場に向かいました。
    ぶっちゃけ、今まで何作か見てきたブルの芝居に対して
    毒がないというか、人間のおかしみはひっこめられて
    何ていうか…女性への賛歌すら感じる作品でした。

    ネタバレBOX

    物語は、一人の少女の7歳からその死までを通して
    彼女の母と、娘と孫との目線を絡めながら
    「女の一生」みたいなものを描き出していました。
    わたしとわたしの姉と、わたしたちの母や祖母の人生を映し出すかのような
    リアルな「女の一生」がそこにあったような気がします。
    出会う男それぞれに淡い恋心を抱きながら、水商売で客と見れば媚を売る母を嫌悪する娘。
    母を恥じながら、切り捨てられもせず自分も力いっぱい不器用で葛藤しながら
    気がつけば母と同じ人生をたどっている。
    年齢を重ねるにつれ、深まっていく母への思いと、
    どうしようもなく「オンナ」な自分のもろさ。

    どうなんだろう?
    これは、喜安浩平という男性が描き出すからリアルなのか、
    それとも、かれの母や祖母たちの姿が、リアルな女を彼に示したのか…
    実際に「娘」をしながら「弱ってきた母」と関わるわたしには
    見ていて辛いほどに、彼女たちはリアルな女性だった。
    少女として、女性として、女として、オバさんとして、そして老女として。
    実は、喜安浩平という人はコッソリと女なんじゃないかとすら思う。
    (もちろん、どっからどう見ても彼は立派に男性です。)

    なんかね、リアル過ぎて自分のこれからの人生はこうだと示されたような気すらしました。
    「女性」という生き物を、これ程に等身大に暖かく見守ることのできる男性は
    かなり貴重なのかもしれません。
    そういう意味で、喜安浩平のような男とわたしは結婚したいと思いました。

    あれ?作品賛辞がいつの間にやら作家賛辞になってしまった。

    なんせ、次回作も楽しみです。

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    2009/04/25 23:03

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