満足度★★★★★
客席は3エリア。
すぐそば横、斜め手前、舞台中央、舞台奥…オブジェのようなベンチ仕様のセットがそこかしこに点在。
どのエリアも見えやすさに遜色は無さそうだし、異なったアングルにてどこに座っても楽しめそう。
実際に始まってみれば案の定というか、場面転換ごとに目線を移す行為でさえも面白さに加担、役者さんの動線も面白い。
社長(傲慢タイプ)とその下請け取引先の平社員(気弱タイプ)。
入れ替わったお二人の演技は口調や所作のみならず、その目つきまでもが変わってくるのですね…「目は口ほどに物を言う」とはよく言ったものだ。
対極の性格が入れ替わる物語はコメディーとして笑えながらも、責任ある社会人(家庭人)なものですから、ほんのりオトナビター。
渦中の2組の夫婦はもちろん、周りをかためる役者さん達もしっかり盛り上げてくれるので、何だかもう成立しちゃってる!?入れ替わり生活も“状況の妙”にて楽しめてしまうのでした。
「これは仕方がない」ズルズルと諦めてしまいがちな夫婦の関係性、一旦他人目線でもって見つめ直してみるのも一案。と思わせる後味。
何気なく暮らしていても、そこにある日常のありがたみはついつい当たり前になってしまいがち…なので時には他人目線っていうのは確かに良いかも。