満足度★★★★
タイプの異なる2作品、どちらも中身がギュッと!力作。
『人魚の肉』
娘に不老不死の力を、一心不乱にお金を捻出し人魚の肉を食べさせようとする母親。
娘にはそんな意志などある筈もなく、逆に大切にしていたモノを母親に奪われてしまうという皮肉。
他にも大人の強い思惑によって人生を大きく左右されていく若者2名。
若者達が突き進んでいくほどに、歪み拡がっていく独特の世界。
個々に蔓延る愚かしい価値観の渦を漂流する若者たちの演技が力強く、醜と聖も鮮やかに見応えある作品でした。
欲を言えば、これだけの世界観ならば「大人の艶っぽさ」なのですが、これは致し方ないか。
『乱高下スッポンポ』
前作の強くまとわりつく余韻もそのままに休憩を挟まずスタート。
一転、コメディータッチな作品を演るにはかなり不利な空気になっているのを百も承知といった感じの3人組。
ホームの公演という部分を差し引いてもかなり勇敢な姿でした。
怪しげな旅館に団体客、しかも修学旅行。
言ってみれば「何とか女風呂を覗きたい男子」という単純な話であり、パンパンの会場もかなり受けていましたが、よくぞ色んな登場人物を瞬時に使い分け、ナンセンス要素も取り入れの大スペクタクル作品に仕立て上げたものだと感心。
前作との奇妙なブレンド感というのもあったかも。