満足度★★★★
物語の世界からあぶれた者達が共存し合う孤島。
その島に漂流した自分自身の記憶が全く無い少女。
無用の登場人物として三下り半を突き付けられた物語だと言えば何だか湿っぽいイメージすら浮かんでこようものの、イヤイヤ若いパワーが舞台いっぱいに拡がって演技・歌・ダンスどれをとってもなかなかのシッカリ者。
個々の自己紹介が丁寧に演出され、ストーリーの輪郭もクッキリ。
冒頭はキャラクターで惹きつけ、中盤で少女が一体何者であるか皆でイメージの一連のダンスシーン(ここが一番好き)そして終盤に向けての大団円(?)
最初から最後まで起伏ある展開にて演劇初心者も全くの心配無用!と思える公演でした。
もちろん明るく楽しい一辺倒ではなくダークな部分も描かれているのですが、欲を言えば劇中にも登場の『ヘンゼルとグレーテル』や『ハーメルンの笛吹き男』等々、案外こういった物語には底知れぬ心の闇も同時に描かれているので、本作にも同等な闇が存在していても良かったのかなぁと。