「隣の家-THE NEIGHBOURS」 「屠殺人 ブッチャー」 公演情報 名取事務所「「隣の家-THE NEIGHBOURS」 「屠殺人 ブッチャー」」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    鑑賞日2019/10/28 (月) 19:00

    座席E列2番

     「隣の家」を観劇。

     世界初演とのこと。脚本が7月に上がってきたというのだから、再演の「屠殺人ブッチャー」と違い、準備のバタバタ感は半端じゃなかっただろうなあ、と推察します。しかしながら、よく消化できていると感心しました。
     話は、ルーシーとサイモンの夫婦の住む家の隣で、12年前に失踪した少女が、地下に監禁され続け、妊娠をして子供を産み、その娘が救出された後日譚として始まる。夫婦は隣人として、警察やマスコミからひきりなしに質問や取材を受ける。その趣旨たるは、「12年間も何も気が付かなかったのか?」というもの。
     
     舞台は正面左側で、夫婦のやり取りを通して進む。画像を使った説明を交えながら、全体の時間のおよそ9割強を占める。中央には、その隣家の模型があり、舞台右側では、その隣に住むスズキという東洋人が部屋で寛いでいる。彼は夫婦の会話には、一切絡まない。

     冒頭は事件について、観客に語りかける。そして夫婦仲の良さが示され、他愛のない近所のうわさ話に花が咲く。ところどころ、観客にも笑いが溢れ、いかにも穏やかな午後の世間話の様相だが、次第に、、、

    ネタバレBOX

    夫婦は確かに、この監禁事件を知らなかった。少なくとも、悪意を持って関わることもなかった。しかし、夫婦は間接的に、この監禁事件に大きな関りをもっていた。気づくことはできなかったのか。疑心をもっていれば、何か気づくことができ、監禁を発見できたのではないか。しかし、そうした態度は正しいものなのか。
     サイモンは自らのおぞましい関りに絶望し、ルーシーは平穏を取り戻すためにスズキ宅へ、夕食の誘いをしに赴く。そこには、夫婦の娘ルーシーが、スズキから聞いた「ぶんぷく茶釜」の話のお礼に贈ったピンクのポットがあった。スズキは言う「今後はサトシと呼んでください。お隣なのですから。」
     ルーシーとサイモンは、今後、スズキに疑念なく暮らしていくことができるだろうか。

    0

    2019/10/29 14:42

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大