満足度★★★
鑑賞日2019/10/14 (月)
下北沢シアター711にてウォーキング・スタッフ『三億円事件』を観劇。
2016年、第24回読売演劇大賞優秀作品賞に輝いた作品の再演であるという事前情報、さらに1968年に実際に起きた有名な窃盗事件を題材にした作品ということで結構期待して拝見させて頂きました。今回の作品は事件当日の様子を描いたものではなく、時効成立が迫っている最後の3ヶ月を描いたもの。特別捜査室を再現した独特の舞台、というかもはや本当の捜査室。会場の中心で役者さんたちが演じ、その周りを観客が囲む個性的な舞台セットはなかなか趣向を凝らして創られており、魅力的に映りました。なるほどー、こういうセットの組み方もあるのかと新発見でもありました。男性キャストだけのお芝居でしたが、だからこそ三億円を盗んだ犯人を捕まえようとする捜査員たちの緊迫した会話、なかなか進展しないことに対する苛立ち、情熱などの心情がとてもよく伝わってきて緊張感のある作品になっていたと感じました。
一方で、三億円事件についてもっと事前に知識仕入れていれば、よりリアルにより細かい部分まで楽しめたのではないかとも思いました。この事件自体、自分自身が生まれる数十年前の出来事なので、当然当時の様子は知りませんし、何が真実で何が作り話なのかすらよく把握出来ていません。なので今回の作品に対する理解度も不十分だと思います。もし今度再々演があるのならば、もっと事件について調べてから観てみたいと感じました。